《ブラジル》コロナウイルス恐るべし=家族で感染の運動選手が警告

ラファエラ氏(4日付G1サイトの記事の一部)

 サンパウロ州海岸部ベルチオーガ市に住み、家族揃ってコロナウイルスに感染した運動選手が、「コロナウイルスを侮っていた」とし、社会隔離や消毒の習慣を守るように呼び掛けている。
 SNSで自らの体験を語り、コロナウイルスを小馬鹿にしないよう警告するのは、陸上選手のラファエラ・オリヴェイラ氏(31)だ。
 競技会では数々のメダルも獲得。コロナウイルスなんて取るに足りず、自分が罹るはずがないとまで思っていた同氏は、両親を失いかねない体験をし、それまでのあり方を後悔したという。
 最初に発症したのは父親で、両親の家で兄弟の誕生パーティーを開催した、5月19日に症状が出た。誕生パーティーには、ラファエラ氏を含む兄弟5人、その連れ合いや子供達まで、全員が集まっていた。
 当時は既に、コロナウイルスの感染拡大を抑制するための外出自粛令も出ていたが、感染なんて無縁の事だと思っていた一家は、都合よく休暇になった程度に考え、一堂に会した。
 だが、パーティー当日に父親、翌日には母親が発症したため、ラファエラ氏は両親と夫、一番下の妹を連れてサントス市へ。コロナ感染の有無を確認する検査を受けたところ、5日後に、5人とも感染しているとの報告が届いた。

 ラファエラ氏は外出規制の初期、職場があるサントス市まで毎日通っていたが、服や靴がウイルスを運び得るという認識はなく、帰宅後も、靴を脱ぎ、衣類を取り換えるといった基本的な注意を怠っていた。
 外出自粛令が出て自宅待機を命じられた時も、休暇をもらった位にしか考えず、「コロナウイルスのおかげで家族が一緒にいられる」と喜んでいたという。
 感染の可能性なぞ想像さえしていなかったラファエラ氏達は、両親と共に食事をし、兄弟同氏で未明まで遊びに興じたりもしていた。だが、父親が重篤化し、発熱や胸の痛みに苦しむ姿に、自分の事以上の痛みを感じ、家族を失う可能性に怯えたという。
 幸い、感染者は皆、息切れや疲れといった症状が残る程度まで回復したが、コロナウイルスを小馬鹿にし、感染を避けるための注意も怠っていた事を痛感し、他の人には同じような経験をして欲しくないと考えたラファエラ氏は、後悔の念も込め、外出自粛を守り、消毒などの基本的な注意を厳守するよう、忠告を発し続けている。(4日付G1サイトより)