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日伯友好病院=近隣住民に食料衛生用品配布=コロナ入院死亡率極めて低目

右から支援物資を受け取る女性と天内ワルテル院長、熊谷医師長、イガイ福祉課長

右から支援物資を受け取る女性と天内ワルテル院長、熊谷医師長、イガイ福祉課長

 日伯援護協会(与儀上原昭雄会長)傘下の日伯友好病院(天内ワルテル院長)は、コロナウイルスにより仕事を失い生活に困窮する近隣住民に対し、福祉課が主導してセスタ・バジカ(基礎食糧セット)と各種洗剤や石鹸、歯磨き粉などの衛生を保つ日用品の詰め合わせ850世帯分を配布した。コロナ治療の現状も合わせて取材した。
 受け渡しには、天内ワルテル院長、熊谷カルロス・アルベルト健司医師長、エミリア・イガイ福祉課長らも立ち合った。友好病院そばの所有地にある建物で配布され、受け取るための列に子供連れの女性や中年女性が一定距離を置いて並び、係員は「重いから気をつけて」と声をかけながら一人一人に手渡した。
 同病院の福祉課は94年から始まり、様々な福祉活動を行っている。パルケ・ノーヴォ・ムンド近隣に住む低所得家庭やヴィラマリア区にあるファベーラ・フネラーリア(貧困街)で、13歳未満の児童に対し歯科を含む医療サービスの無料提供や、教育講座、相談・指導をはじめ毎月50世帯分のセスタ・バシカ支援を行っているという。
 配布に立ち合った、熊谷医師長に友好病院のコロナ治療の現状を取材すると、22日時点で62人がコロナウイルスで入院中だという。

基本的な食糧品と衛生用品の受け渡しの様子

基本的な食糧品と衛生用品の受け渡しの様子


 コロナ重症患者専用に31床が用意されている集中治療室は、30床が使用中で、占有率は今も極めて高い。コロナ感染の入院者数は2月27日から累計で868人にのぼり、「そのうちの771人が完治して退院している」と説明した。
 コロナ入院者のうち亡くなったのは15人で、他の私立病院に比べてもかなり低く抑えられている。他の私立病院では症状が重症化して人工呼吸器を装着した場合の死亡率は43%、統一医療保健システム(SUS)だとさらに圧倒的に高くなる。友好病院ではわずか14%に抑え込んでおり、大健闘といえそうだ。
 ただし、肥満体型の人、糖尿病や高血圧による既往病がある場合は悪化するケースが多く、「油断できない」と気を引き締めていた。


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「座らないで」と書かれた受付の椅子

「座らないで」と書かれた受付の椅子

 取材で友好病院を訪れると、診療スペースや病棟で細心の注意を払っているだけでなく、受付ロビーにもその一端が伺えた。椅子にはポルトガル語で「座らないで下さい」の張り紙が、ひとつ置きに貼られており、ロビーで待つ間も一定距離を取れるよう工夫が凝らされているようだ。そんな中、最もコロナ患者が詰めかけた4月には、一般患者が来院を敬遠して赤字に転落した。だが5月には黒字に戻ったとか。日本の病院もそうだが、過重なコロナ患者負担がかかるだけでなく、偏った患者来院となることで、コロナ禍は病院経営を一層難しくさせているようだ。

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