《サンパウロ州》感染者150万人越えする中、商業再開が本格化=6日からレストラン、バール=27日から映画館など文化施設も

記者会見するサンパウロ州知事ら(Foto: Governo do Estado de São Paulo)

 2日に感染者数が150万人を越えたブラジルで、最大の感染震源地となっているサンパウロ州では経済活動再開が本格化している。新型コロナウイルスの影響で飲食店の営業が禁止されていたサンパウロ市では6日(月)から、レストラン、バール、美容院の再開を発表している。
 フォーリャ紙3日付電子版によれば、各店には衛生基準の遵守が求められ、営業時間は午後5時までの6時間のみ、最大受け入れ客数の40%までに活動制限されている。店内でもマスク着用は義務だが、食事中だけ取り外すことが許されている。店内換気をしっかりと行うことが求められている。
 来週からの段階的再開がうまくいけば、次の段階として、27日からはアカデミア(運動ジム)、文化施設の再開も予定されている。アカデミアでは、マスク着用で各日6時間、収容能力の30%、最低3回の内部設備の清掃や衛生処置、単身での運動が許される。同様に、映画館、ミュージアム(博物館)、図書館、画廊、文化センターもこの段階で再開されることになっている。 
 なお、UOLサイト2日付記事によれば、サンパウロ州政府(ジョアン・ドリア知事)は2日、レベル2(オレンジ)に緩和された地域の認可事業者は、週4日間で一日に6時間連続営業できるとし、来週から実施される予定だ。レベル2ではこれまで、ショッピングモール、販売店、露天商、オフィスなどが毎日4時間、収容人数を20%に制限して営業できるようになっていた。

 サンパウロ州内のレベル2(オレンジ)の該当地域はバイシャダ・サンティスタ、サンジョゼ・ド・リオプレット、タウバテ、カンピーナス、サンジョアン・ダ・ボアビスタ、アララクアラ、バレットス。美容室、ジム、劇場、映画館、コンサートホールも再開されるという。しかし、アカデミアはレベル4で、劇場、映画館、公共公園はレベル5だ。最低限の衛生的な規則を満たした上で、州内の各市と事業団体間での合意書にサインした後で運営ができることになるという。
 サンパウロ州経済開発局は今回の経済再開計画について、州民の健康面での安全性を確保し、商業の計画性を高めることを重視している。新型コロナウイルスによる直近7日間の州内の平均死亡者数は減少しているとし、1日の死亡率は12・5%下落したことを報告。今後の見通しとして、新たな感染ケースや死亡はあるものの、感染速度は衰えるとの見方を示している。
 一方、リオ市では一足先に2日、バールなどの再開が許可された。さっそくマスクをつけずに深夜遅くまで騒ぐ客で溢れかえった。本来は午後11時が許可された閉店時間だった。リオ市が決定したレベル3の措置に従ってバールやレストランの再開は2日から許可され、ジムや海岸での個別の運動も再開された。
 同日、リオ州内では134人の死亡が確認され、死亡者数は合計1万332人に達した。特にリオ市内では6689人となり、死亡者は都市部に集中している。なお、規則を無視したバールやレストランは、リオ市警によって最大1万3千レアルの罰金が科せられる。