《ブラジル》大統領支援者の国外SNS凍結命令に=ツイッターとFBが控訴へ

モラエス判事(Fabio Rodriguez Pozzebom/Agencia Brasil)

 最高裁のアレシャンドレ・デ・モラエス判事が7月24日にツイッターとフェイスブックの国内アカウントを凍結させた16人が、ブラジル国外のアカウントに移動して活動を続けているのに対し、国内同様に凍結することを両社に命じた。それに関し、両社本社が「言論統制」だとして控訴を行う意向を示した。7月31日付現地サイトが報じている。
 これは、モラエス判事がフェイクニュース捜査の対象にもなった16人に対して、7月24日にツイッターとフェイスブックのアカウントを凍結する命令を出し、両社は従った。だが同一人物が国外にアカウントを取得して、同様の活動を続けていることに業を煮やした同判事が、今度は国際的に禁止する命令を下した。それに対して本社が控訴の意向を示しているが、対応には差がある。
 このモラエス判事の処分に対し、まずツイッター社が30日に暫定的に該当アカウントを凍結した上で、「凍結された人物の発言の合法性に関しては当社が判断できるものではないものの、当社の判断では、ブラジルにおける表現の自由に関して偏向を感じるため控訴することにした」との声明を出した。

 フェイスブックも31日に、「ブラジルでの法律に関しては尊重する。だが、各国にはそれぞれの表現の自由に関しての法的基準があるため、国際的な凍結はできない」と控訴の姿勢を見せ、凍結そのものを行なっていない。
 このアカウント凍結命令に関しては、すでに連邦政府も判断を覆すべく動いていると報じられている。凍結された人物はブラジル労働党(PBT)のロベルト・ジェフェルソン党首や、最高裁の建物に向けて花火を打ち込んだことで逮捕された政治活動家サラ・ウィンター氏、スーパー「アヴァン」会長のルシアノ・ハン氏、極右サイト「テルサ・リーヴリ」主宰のアラン・ドス・サントス氏など、以前からボルソナロ氏支持者として有名な人物ばかりだ。