≪サンパウロ州≫補修授業・個別指導など9月から一部再開可=本格的な対面授業開始は10月=SP市は全て10月からに決定

アマゾナス州マナウス市では8月から授業が再開されている(Ione Moreno – Semcom )

 10月7日からサンパウロ州の学校で対面授業再開が予定されているが、段階的緩和措置「サンパウロ計画」のレベル3(黄色)が28日間続いている地域の公立・私立学校に関しては、希望があれば9月8日から補修授業や個別指導、スポーツ活動(reforço, tutoria e atividades esportivas)の再開が可能になった。パンデミックによる休校期間は169日間にもおよび、ようやくその補修授業が一部で開始されることになる。17日付G1サイトが報じた。
 補修授業を行う場合、各学校は生徒の体温測定をはじめ、教室の収容人数を通常の35%に減らし、各個人の保護具着用が必要。階段や出入口での生徒間の距離を1・5メートル以上に保つことが求められる。これらの活動に参加できるのは、保護者の許可を得た生徒のみで、新型コロナウイルス感染リスクのある生徒や教師は、遠隔授業を続けなければならない。
 サンパウロ州政府は教室再開決定を各学校に判断させているが、教育委員会はまだ方向性を示しておらず、北部第1教育委員会は「公式には何も出していない」とし、東部第1教育委員会も「何の連絡も入っていない」としている。
 公立・私立学校再開は10月7日からというサンパウロ州政府の判断は、幼児教育から高等教育まで適用される。当初、学校の再開は9月8日とされていたが、ジョアン・ドリア州知事によると、公立・私立学校における子供、青少年、教師、管理職、専門家とその家族の安全性を確保するために、コロナウイルス緊急センターの勧告で延期したという。
 ただし、レベル3の市に限って、9月8日から補修授業・個別指導・スポーツ活動に限った再開を独自に判断できる。サンパウロ州教育局長のロッシエリ・ソアレス氏は、10月7日から再開する場合の条件詳細に関しても、各市に決定権があると話している。
 州政府による再開の方針は、以下の通り。再開される各学校では生徒、教師、職員は互いに1・5メートルの距離を保つことが必要で、混雑を避けるために入退場時間が決められ、できれば公共交通機関のピーク時間外にすることが求められる。

 展示会(フェイラ)、講演会、セミナー、競技会、スポーツ選手権、祝賀会、集会はまだ禁止されている。学校内での休憩時間やレクリエーション活動は、常に互いに予定を組んだ上で、各クラスのローテーションで行うことになる。また、1・5メートルの距離を満たしていれば体育活動は認められ、それらは屋外で各種体育器具の衛生面に注意して実施される。遠隔授業は、段階的な対面授業の再開と組み合わせて継続されることが推奨されている。
 衛生面については、学校の施設内や交通機関で全員にマスク着用が義務付けられている。施設内では、従業員のために個人用保護具を提供し、飲酒は禁止。飲料水は個別に提供し、コップやマグカップを各自で準備する必要がある。
 トイレ、洗面台、更衣室はそれぞれ使用前後および3時間ごとに清掃しなければならない。ゴミは最低でも1日3回は取り除き、多くの人が触れる表面は、シフトごとに除菌すること。さらに、ドアノブや鍵穴には触れないようにし、窓やドアを開いて換気する必要がある。
 9月8日からのオプション活動を再開したい学校は、次の規則に従わなければならない。
 幼稚園や小学生、低学年の場合は定員の35%まで、高校生や大学生には定員の20%までの受け入れが可能。生徒間の距離を1・5メートルに保つが、この距離には例外があり、幼児教育や保育園のように乳幼児と保育者の間にこの距離を保つことができない場合もある。
 10月7日の対面授業の再開は、学校側が定めた生徒ローテーション方式により、第1段階では各教室には毎日最大35%の生徒のみが通う。別の日には残りのグループが通う。第2段階では70%の生徒、第3段階では100%の生徒というように、3段階方式で実施される。
 ただし、UOLサイト記事によれば、サンパウロ市のブルーノ・コバス市長(PSDB)は18日、州政府の方針に反して、市内の公立・市立学校は補修授業開始や図書室や実験室の使用を、9月中は見合わせる方針であることを発表した。