「でも、ブラジルは良い国です!!!」=サンパウロ難民移民座談会=大浦智子=<第11回>=なぜ日本は難民を受け入れないか
――様々な国から来た年配の一世移民やブラジル人は、難民は自分たちが受けたことのない援助を受けて生きていると思っている場合もあります。その様な理由で、あまり難民が共感を得られない可能性があるという認識はありますか?
実際に、難民はどこかの組織から援助を受けていますか? もし、受けていれば、答えられる範囲で良いので、どのような機関から援助を受けているか教えてください。
【ジャン】援助と言えばお金です。ブラジルで難民は何も受け取っていません。人々の暮らしをスムーズにするために努力する団体があるだけで、その様な団体には感謝しています。
人にはそれぞれ活動レベルがあります。ある人は新しい土地に到着し、すぐにカルロスのように事業を始めることができます。他の人は到着しても仕事ができません。難民は車にひかれた人だと言う人々がいます。難民であることは一つのアクシデントです。彼はシャワーを浴び、職場に向かい、通りに出て車にひかれたようなものです。
普通、それを見た人がすることは、彼のもとへ走り、助けることです。しかし、ブラジルで起こることは、人々は、なぜあなたがひかれたかを尋ねるということです。車にひかれたい人がいますか? いません。これが私たちの説明しようとしていることです。
私たちの仲間は、今日、難民コミュニティーとしてまとまり、アフリカ・ド・コラソン(現PDMIG)の様な難民と移民を世話するNGOを組織しています。NGOでは、人と人が心を通わせられるように難民のポジティブな面を示すことに努めています。
お金の援助を求めることは助けにならないかもしれません。私たちは、私たちの大義を受け入れて、応援してくださる人々を求めています。例えば、カルロスに、「あなたは有能です。前に進みなさい」と言うような人です。これはお金以上のものです。
【永井】日本政府は現在、実際には労働者として多くの移民を受け入れています。ブラジル人や清掃作業員、工場労働者などもいますが、政治家は、日本人が移民を受け入れたくないと思っているため、政府が多くの移民を受け入れていることを認めたくありません。
しかし、実際、多くの移民を受け入れています。ビザなしで難民や移民を受け入れるわけではありません。例えば、すべての労働者は5〜10年以内に帰国する必要があります。ですから、日本での移民難民受け入れ問題はとても難しいですが、日本には子供が多くないので、移民を受け入れなければならないことを誰もが知っています。 しかし、政治家はそれを認めたくありません。
【アブドゥル】質問があります。日本は移民の労働者を工場で働かせています。しかし、難民が最も居場所と仕事を必要としています。難民の労働者と移民の労働者。違いは自国を去る理由にあります。一方は強制的に、他方は自発的に国を去りました。今なぜ日本人は難民に門戸を開くように圧力をかけませんか?
例えば、政府が2020年に受け入れる移民は200人だけだと話すとします。もし日本人が受け入れる人々であれば、それは人権団体として社会にアピールし、難民にも門戸を開くよう政府と対話するはずです。今の移住は利害関係に基づき、仕事のできる、強くて、優秀で、善良な若者を望んでいるからですよね?そこに共感はありません。
【カルロス】工場の労働者に難民を当てるのは適切であるように思います。なぜなら日本経済は循環するので、日本の負担にはなりません。門戸を開くのは、経済が停滞しないように人手が必要だからです。日本経済はより一層成長を維持し、難民も自分のために働いているので、日本社会で苦しむことはありません。双方にとって良いのではないかと思います。(続く)