《ブラジル》ワクチン治験の草刈場に=5~6種が同時進行

中国製ワクチンについて語るドリア知事(GOVESP)

 【既報関連】新型コロナのワクチンに関して9日、ブラジル国内では5件目、6件目となる治験実施が発表されたと9、10日付ブラジル国内紙、サイトが報じた。
 9日に治験実施を発表したのは、国内に40のラボラトリーを持つDasaで、対象は米国ユナイテッド・ビオメディカル社の子会社のCovaxx社が開発中のワクチンだ。
 同ワクチンの治験第1段階は8月に台湾で始まった。伯国での治験(第2、第3段階)は、11月に発表される結果を基に正式申請され、最低3千人の治験者を募集する意向だ。Dasaによると、動物実験では回復者の血漿から得られる抗体の400倍の抗体が出来たという。
 ブラジルでは、オックスフォード大学とアストラゼネカ社が共同開発中のワクチンの他、中国のSinovac Biotech社が開発中のワクチン、米国のPfzerとBioNTech社が開発中のワクチン、ジャンセン社(ジョンソン&ジョンソン・グループ)が開発中のワクチンの治験が承認されている。

 治験が最も進んでいたのはオックスフォード大学のものだが、英国での治験者に副作用の疑いが生じ、ブラジルでも治験を一時中断している。
 サンパウロ州のジョアン・ドリア知事は10日、2番目に承認され、同州が支援しているSinovac社のワクチンでは副作用は報告されていないと強調した。同州保健局は、来年1月には予防接種開始が可能と見ている。
 またロシアで開発中で、国家衛生監督庁の承認待ちのSputnikVは、パラナ州とバイア州で治験が行われる。バイア州政府は、11日に合意書に署名した。