《ブラジル》女性殺人被害の73%が黒人=強姦被害は白人と大差なしも

 女性が被害者の殺人事件では、犠牲者の約4分の3が黒人女性であることがわかったと、16日付G1サイトが報じている。
 16日にG1サイトが発表したところによると、サンパウロ州やリオ州など、10州は犠牲者の人種に関するデータを出していないため、これらの州や人種に関する記述が明確ではないケースを除いて集計した。その結果、2020年上半期に「(通常の)殺人事件」で命を失った女性の被害者889人のうち、650人、すなわち73%が黒人女性だったという。白人は234人、先住民4人で、アジア系の黄色人種はわずか1人だった。
 「フェミニシジオ(Feminicídio)」と呼ばれる、女性であることが理由で起きた女性殺害事件でも、黒人は198人と最も多く、全体の60%近くを占めている。他人種の犠牲者は、白人132人、先住民2人、アジア系1人だった。

 一方、「家庭内暴力」で見ると、黒人が2万6980人に対して白人が2万5986人、「強姦」では、黒人が1814人、白人が1625人と、ほぼ互角になることもわかった。青少年や子供を狙った「弱者への強姦」の被害者も、黒人が2735人、白人が2781人で、ほぼ同数だった。
 社会学者のアナ・パウラ・ポルテラ氏は、黒人女性が命を落としやすい理由を「劣悪な住居環境で貧しい暮らしをしている人が多いためだろう」との見解を述べている。