《ブラジル》最高裁新長官就任式でコロナ感染=長官本人ら少なくとも6人が罹患

最高裁判所長官就任式の様子。マスクをしていない中央の人物がフクス新長官(Foto: Nelson Jr./SCO/STF、10/09/2020)

 最高裁判所が17日、判事や職員の安全を守るため、最高裁内のコロナ感染対策を見直す事を決めたと同日付現地サイトが報じた。
 この決定は、10日に開催されたルイス・フクス新長官の就任式への出席者の中から、新型コロナ感染症者が相次いで出た事を受けて発表された。
 14日に感染が確認されたフクス長官本人を筆頭に、ロドリゴ・マイア下院議長、マリア・クリスチーナ・ペドゥズィ連邦高等労働裁判所長官、ルイス・フェリッペ・サロマン、アントニオ・サウダニャの両連邦高等裁判所判事の5人のコロナ感染が判明したとして、最高裁は17日「速やかな回復を願う」との声明を発表した。
 保健省や世界保健機関が推奨する予防策を全て適用して来たが、それでも感染を未然に防げなかったとして、より万全な予防策を打ち出す意向も表明した。

 最高裁ではパンデミック宣言後、トフォリ前長官の他、157人の職員がコロナウイルスにすでに感染している。声明では、最高裁の医療サービスは用意万端で、職員への指導やテスト、陽性だった場合の診療などに対応出来る事も明らかにしている。
 だが、就任式に出席した関係者のコロナ感染は5人だけに止まっていない。最高裁が回復を願うとの声明を出した直後に、アウグスト・アラス連邦検察庁長官も感染が確認されたのだ。
 新長官就任式では、出席者数を20%に限定、アルコールジェルを各所に置く、マスクを義務化するなどの配慮がなされていたのに、感染者が相次いでいる。最高裁は出席者と連絡をとり、就任式や最高裁の周辺で濃厚接触が生じた可能性があるから、医療機関に行くよう要請している。