東西南北

 新型コロナウイルスの感染爆発の最中に評判が上がった企業のひとつに、家具や電子電気機器の小売業者マガジネ・ルイーザがある。これまでも、「外出自粛期間中の従業員解雇なし」「ネット販売の送料無料」「コロナ対策への巨額寄付」などが話題となっていたが、同社は現在、「黒人のみを対象とした研修プログラム」を開いて話題を呼んでいる。これには「逆差別にあたるのではないか」との声もあがっているが、「一般社会の雇用そのものに格差があるのだから、それを是正しようとすることは間違いではない」とする司法関係者も少なくなく、ネット上などでも賛辞の声は多い。少なくとも、消費者の気持ちを読んで、機を見たマーケティングを打つのが上手なことはまちがいない。
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 22日付現地紙によると、サンパウロ市極東部では、コロナウイルスに対する抗体を持っている人が19・6%おり、5人に1人が感染している地区がある。サンパウロ市役所が17日に発表した調査結果によると、一軒の家に5人以上住んでいる家庭での感染率は19・8%と高い。市西部などに住むA、Bクラスの感染率は3・1%と低いのに、D、Eクラスでは18・7%と高いなど、感染率にも格差がある。極東部や極北部は貧困層が多い地域だ。抗体保有者の割合が高いと、「抗体ができているから安全なのでは」という人もいるが、この格差を見ると、一概には良いとは言えそうにない。
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 13日の対マルセイユ戦で退場になった際、「相手選手に人種差別的発言をされた」と抗議したPSGのネイマール。だが、今になって、その試合で彼自身が「中国人のクソ野郎」と叫んで、相手チームの選手を侮蔑していた疑惑が浮上している。言われた相手は、日本代表選手でもある酒井宏樹とか。日本人としては複雑だが、真相はいかに。