匪賊ランピオンを能で公演=日伯融合「地獄の門を叩く男」

カポエイラが盛り込まれた能舞台

カポエイラが盛り込まれた能舞台

 サンパウロのジャパンハウス(JH、エリック・アレシャンドレ・クルッグ館長)と駐日ブラジル大使館(エドゥアルド・サボイア駐日大使)が「地獄の門を叩く男(Lampião Nô Inferno)」を29日(火)20時から、
ブラジル向けにポルトガル語字幕つきでユーチューブ公演する。
 日本の伝統芸能の能とブラジル文化財であるコルデル文学を融合させた舞台で、五輪オリンピック・パラリンピックをリオデジャネイロから東京へと引き継ぐ記念事業として昨年11月に日本で初公演された。
 同作は駐日ブラジル大使館と能楽研究家の梅若ソラヤさん共同企画で、ジョゼ・パシェコの「ランピオンの地獄訪問(A Chegada de Lampião no Inferno)」を再解釈した舞台になっている。
 カポエイラの森陽子さんや空手家の中町美希さんが登場するほか、日本を拠点に活動するブラジル音楽ユニット、ヴヴィア・ブラジル等が伴奏で物語を盛り上げる。

舞台演出にはプロジェクトマッピングも使用される

舞台演出にはプロジェクトマッピングも使用される

 最新技術のプロジェクトマッピングを演出に盛り込むなど、日伯間の文化と共に伝統と最新技術が織り成す意欲的な舞台となっている。
 舞台には600年の歴史を持つ名門能楽師家系で、企画者梅若ソラヤさんの父・梅若猶彦(うめわか・なおひこ)さんが匪賊として名をあげた末に地獄へ向かう事となったランピオンを演じる。
 サボイア駐日ブラジル大使は「在日ブラジル人コミュニティー30周年の節目に公演が決まり、日伯間における絆の強さを象徴しているように思えます。芸術と文化の力で両国関係をいっそう強くするでしょう」と喜びを示した。
 翌日30日の夜8時にはJHがZOOM上でトークイベントを開催する。能楽研究家でスペシャリストのアンジェラ・マユミ・ナガイさんと、JHサンパウロ企画担当局長ナターシャ・バルザーギ・ジーネンさんの司会進行のもと、梅若ソラヤさんと梅若猶彦さんを迎える。イベントには日本語・ポルトガル語の同時通訳がつく。
 ZOOM上のトークイベント開催場所については近日JH公式ソーシャルネットワーク上にリンク先を掲載するという。JHのSNSは次の通り。
▼フェイスブク(www.facebook.com/JapanHouseSP/)
▼インスタグラム(@japanhousesp)
▼ツイッター(twitter.com/japanhousesp)
▼ユーチューブ(www.youtube.com/japanhousesaopaulo)