ジャパンハウス20日に再開館=サンタ・クルス病院から感染対策助言受け=ファッション、写真の2展覧会で

サンパウロ市のジャパンハウス

サンパウロ市のジャパンハウス

 9日、州政府が外出自粛規制緩和レベルを「5段階中の4段階目」を示す「緑」への引き上げに伴い、サンパウロ市のジャパンハウス(JH、エリック・アレシャンドレ・クルッグ館長)は20日(火)から営業を段階的に再開することを発表した。営業時間は火曜日から日曜日の11時~17時までとし、定員数は通常の60%に制限する。来館は先着順で行われる当日入館か、予約専用サイトからの事前来館予約となる。予約専用サイトは次の通り(https://agendamento.japanhousesp.com.br/)

 

 クルッグ館長は広報資料の中で「当館での体験を堪能できるよう、衛生対策や他者への気遣いを大切にする日本のおもてなしの精神を徹底することで、安心・安全な環境をお届けします」と述べる。
 安全確保のため、多数の保健機関が推奨しているガイドラインをもとにパウリスタ・カルチュラルに加盟している文化施設・センターと共同でプロトコル(約束事、手順)を作成して導入している。
 それに加え、サンタクルス病院感染症課の指導を受け、活動再開に向けて作成したプロトコルの安全性の検証を行うなど、万全の体制を取って再開する。
 入館の際には体温測定をし、入口で手消毒ジェルや消毒用マットでの消毒を行う。1・5メートルの社会的距離確保のためのマークに沿って移動する。さらに、QRコードを使った対策紹介等で感染拡大防止にむけた注意喚起を促す。
 館内も清掃頻度を上げるほか、施設スタッフは全員、各部門ごとに必要とされる感染予防対策訓練を実施し、安全性強化に努めた。同館施設の換気システムは空気を40分毎に100%換気が出来るという。
 同館長は「今は世界的に見ても非常にデリケートな時期。この状況を十二分に理解し、法的に義務化されている対策以上に細部まで配慮した対策にも取り組んできた」という。「心安らぐことのない日々の中でJHにご来館いただき、日本の魅力を伝えると共に、気持ちが少しでも和らぐような体験を提供したいと思っています」と語る。
 再開時には2つの展覧会を開催。ひとつは2019年のニューヨークファッションウィークでランウェイデビューを果たした日本ドレスデザイナー小泉智貴氏の『トモ コイズミの幻想的な宇宙』展を開催。同展のために特別に制作されたドレスを含む13着が展示される。
 もう1展は、現代の日本写真界を代表する写真家、石川直樹氏『ヤポネシア(Japonesia)』展。日本列島の地域性に着目し、それぞれの土地が持つ特有や、多様な風景や文化を島や海からの視点によって表現した作品を通して、来館者を「未知の日本へといざなう」企画となっている。
 JH内の飲食店「藍染」と「カフェ茶房未来」やギフトショップの「Shin(真)」や「Furoshiki(フロシキ)」などもプロトコルを厳守の上で再開する。坪庭とテラスは定員制限を設け開放する。
 一方、本や情報端末を通じて日本文化を伝えるマルチメディアスペースやセミナー、ワークショップ、ガイド案内は再開を見送り、今後の状況をみて再開を検討するという。