《ブラジル》コーロル元大統領を収賄疑惑で再捜査=110万レアルの資産凍結

コーロル氏(Valter Campanato/Agencia Brasil)

 21日、連邦警察による「キント・アト作戦」が行われ、元大統領のフェルナンド・コーロル上議(社会秩序共和党・PROS)が家宅捜索の対象となった。21日付現地紙が報じている。
 今回のキント・アト作戦は、2014年から2015年にかけて行われた贈収賄工作に関するもの。それはパラナ州で起きたもので、国立再生可能天然資源環境院(IBAMA)から環境許可をもらうことを目的とし、約50人の政治家に賄賂が支払われた疑惑が持たれている。
 この捜査で出された家宅捜索令状は12件で、サンパウロ市の他、パラナ州のクリチバとポンタル・ド・パラナー、サンタカタリーナ州でもガスパールなどで捜査が行われた。
 サンパウロ市ではコーロル氏とつながりがあるとされる住所で家宅捜索が行われた。コーロル氏は、パラナ州の港湾工事のための環境許可を求めたジョアン・カルロス・リベイロ氏から賄賂を受け取った疑いが持たれている。リベイロ氏はポンタル・ド・パラナーの市長選に出馬している。

 今回の捜査は、2015年8月にコーロル氏を対象に行った「ポリテイラ作戦」の続編にあたるもの。コーロル氏は当時、ペトロブラス子会社のBRディストリブイドーラから2010〜14年にかけて2600万レアルの収賄を受けたとされ、捜査の際に、フェラーリ、ポルシェ、ランボルギーニといった高級車を押収された。
 今回の捜査に関して、コーロル氏はSNSを通じて、「警察が家宅捜索を行ったと聞いて驚いたが、彼らは何も見つけることができなかった。私は、自分が犠牲者であるという事実を証明しようと思う。恐れることはない」と語り、無実であることを主張した。
 だが、最高裁のエジソン・ファキン判事はこの日、コーロル氏の資産の内、110万レアルを凍結する命令を下した。