《ブラジル》盗み働いた路上生活者殺害=車に縛り付け、市中引き摺り回す

サントス氏を縛り付けたまま走り出す車と、経営者に挨拶する警備員(28日付G1サイトの記事の一部)

 ブラジル北東部マラニョン州で27日、路上生活者を車に縛り付けて引き摺り回し、死体を放棄した事件の容疑者2人が逮捕された。
 同州州都サンルイス市プライア・グランデ区にある統合ターミナル前で男性の遺体が発見されたのは5月17日。その後の調査で、死亡したのは路上生活者のカルロス・アルベルト・サントス氏(36)である事が判明した。
 警察が市内の防犯カメラの映像を集めて解析した結果、サントス氏は市内でレストランを経営していた男性の車に縛り付けられ、市内を引きずり回されて死亡し、ターミナル前に放置された事が判明したという。
 経営者はいったん車を停め、路上にいた男性と言葉を交わし、何かを飲んでからまた車を走らせたが、防犯カメラの映像には、経営者がサントス氏をわざと轢いた様子も残っていたという。

 経営者は犯行後、サンパウロ市に逃亡したが、サンルイス市に戻ったところで逮捕された。防犯カメラの映像に現れ、経営者と言葉を交わした男性も共犯者として逮捕された。この男性は、レストランの警備員で、サントス氏が盗みを働いたのを見つけて経営者に引き渡したとされている。
 警察によると、経営者は、サントス氏を引き摺り回した事を認め、自分の店で何度か盗みを働いていたから、懲らしめたと主張しているという。
 警察では、今後の捜査を通じ、経営者と警備員の行動を見て見ぬふりをし、警察に通報しなかった人達の有無や身元を確認し、経営者らと共に告発する可能性も視野に入れている。(28日付G1サイトより)