《大統領長男》幽霊職員給与キックバック疑惑の中心は現側近?=容疑者の一人がすでに検察に自供
【既報関連】リオ州検察局が3日にボルソナロ大統領長男のフラヴィオ上議をラシャジーニャ疑惑で起訴した。同時に起訴された側近のミゲル・アンジェロ・ブラガ・グリーロ氏が、疑惑実行の中心的役割を担っていたとの見解を検察側が明らかにした。元職員女性が幽霊職員だったことを認め、給料の9割をファブリシオ・ケイロス容疑者に払っていたとリオ州検察局に供述していたこともわかった。6日付現地紙が報じている。
リオ州検察局のリカルド・マルチンス検察官は5日、フラヴィオ氏のリオ州議時代からの側近のグリーロ氏が、幽霊職員給与キックバック疑惑(ラシャジーニャ)の中心となっていたとの見解を示した。グリーロ氏は、19年にフラヴィオ氏が上議に就任した後も秘書室長を続ける側近中の側近だ。
検察局によると、グリーロ氏は2007年5月からフラヴィオ氏の州議付秘書室長であり、職員の業務内容を管理する立場として、勤務実態のない幽霊職員を登録し、仕事をしていたかのような偽装報告書を作成した上で、州議会に提出していたという。
グリーロ氏がこの疑惑に関わっていた証拠の一つとして、2011年12月29日に自分の口座から2万レアルを引き落とし、その30分後に、フラヴィオ氏の夫人の口座に振り込んだことを、検察はあげている。
検察はこの支払いを、この当時フラヴィオ夫妻がラランジェイラ地区で購入していたコベルトゥーラ(ビルの最上階にあり、屋上部分が利用できるアパート)という個人資産の支払いに使われたのではないかと見ている。
元職員として登録されていたルイーザ・ソウザ・パエス氏という女性は、9月にリオ州検察局に対し、「ラシャジーニャの支払いを手伝っていた」と供述していたことも明らかにされている。
ルイーザ氏の供述によると、フラヴィオ氏と直接に働いたことはなかったものの、フラヴィオ氏の指名を受け、2011年から17年までの6年間、職員として登録され、給与を受け取っていたという。
その間は、その他の幽霊職員同様、ケイロス氏に対し毎月、自分の給与の90%以上をキックバックしていたという。13カ月給や休日手当、食費などの分もキックバックしていたため、手元には700レアルしか残っていなかったという。彼女はこの間の支払いに関する口座の記録を検察局に提示しており、支払い総額は約16万レアルに及んだという。
フラヴィオ氏のラシャジーニャ疑惑に関与していた事実を認め、供述に応じた元幽霊職員は、彼女がはじめて。ルイーザ氏はケイロス容疑者の友人の娘で、今回起訴された16人の元職員に含まれている。