東西南北

 米国大統領選が終わり、全国市長選が今度の日曜に迫ったブラジルでは、早くも再来年の大統領選を意識した動きが表面化し始めている。一例はともに世論調査での支持率が高いルシアノ・フッキ氏とセルジオ・モロ氏で、クリチーバで二人が会合を行ったという一報が世間を賑わせている。二人とも知名度が高い上に、既存の政治家ではないため、フレッシュな印象がある。とりわけ、ボルソナロ大統領の政権運営に不満を抱いている人たちにはアピールしそうではある。ただし、司会者のフッキ氏には政治家経験がまったくない。また、モロ氏も判事時代にルーラ元大統領を有罪にして左派を敵に回し、法相時代にボルソナロ氏と袂を分かって右派から嫌われているのは票集めという点で気にかかるところ。いずれにせよ、今後の展開が楽しみだが。
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 CPTMは11日に、同線を実際に走っていた車両の入札を行う。これは1987年から運行していた1700号という型で7号線で運行していたもの。今回は鉄道マニアに向けた入札で、売りに出す5車両のそれぞれの底値は4万550レアルだという。世にはかなり熱心な鉄道マニアもいるから、需要は少なくはないのだろうが、入札が成立した場合、置き場に50平米必要な上、落札者の手許に車両を届けるのはかなりの手間。どうなるか。
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 10日朝、フラメンゴが新監督にロジェリオ・セニ氏を迎えると発表した。サンパウロFCが誇る「伝説のキーパー」だ。同氏が監督を務めていたフォルタレーザも正式に辞任を発表している。セニ氏といえば、サンパウロFC一筋に現役を務め、数々の記録も作ってきただけに、古巣に戻ってきて欲しいのが本音だが、強豪フラメンゴの指揮で監督としての健闘を祈りたい。だが、フラメンゴ監督としての初試合の対戦相手が、よりにもよってブラジル杯でサンパウロFCというのは、何かの因縁か。