《サンパウロ市市長選》ダッタフォーリャ支持率調査を差止め=ルッソマノの訴え認められる

ルッソマノ氏(RP)

 サンパウロ市市長選候補のセルソ・ルッソマノ氏(共和者・RP)の訴えが認められ、世論調査団体のダッタフォーリャが同市長選の世論調査の結果を発表できなくなる異例の事態となっている。11日付現地紙が報じている。
 この判決は、サンパウロ州選挙裁が10日に出したもの。ダッタフォーリャが見直しを求めたが、同裁のマルコ・アントニオ・マルチン判事が11日に見直しを拒否した。判決内容は、ルッソマノ氏による「質問を受ける側の人たちの選出はよく考えられたものではなく、選挙法の基準を満たしていない」とする主張を認めたものだ。
 こうした世論調査の発表の差し止め判断が起こったのは、1988年の憲法制定後では初めてのことであり、ダッタフォーリャ側は「検閲」として強く抗議。選挙地域裁に控訴している。

 ダッタフォーリャはフォーリャ紙とグローボ局の依頼を受けて調査を行っており、イボッピ(ブラジル世論調査・統計機関)と並ぶ、世論調査の大手だ。現在は全国市長選まで1週間を切った時期でもあり、世論調査に対する需要がもっとも高まる時期でもある。ダッタフォーリャも9日と10日に行った世論調査の結果を11日に公表する予定でいたが、発表できずにいる。
 今回の支持率調査の結果発表差し止め判断は、候補者の間でも異例のこととして受け止められている。現在、支持率4位のマルシオ・フランサ氏(ブラジル社会党・ PSB)はルッソマノ氏について、「支持率が落ちるのを見るのが嫌なんだろう」と、その理由を分析している。ルッソマノ氏は選挙放送が始まる前までは20%後半台で支持率1位だったが、ほどなくしてブルーノ・コーヴァス氏(民主社会党・PSDB)に抜かれて以降、支持率の急落が目立っていた。
 7〜9日にイボッピが行った世論調査ではコーヴァス氏が32%の支持率で1位で、ギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)が13%で2位。ルッソマノ氏は12%で3位となっている。