訃報=元北海道日伯協会専務理事 島崎充也さん

島崎充也さん

島崎充也さん

 パラグアイ国イグアス移住地にある拓恩寺の島崎充也住職が、11日20時頃に同寺内で急性心不全のために亡くなった。行年77歳。13日に同寺内で葬儀、告別式を行い同移住地の墓地に埋葬された。物心両面で日本と南米の懸け橋となった生涯だった。
 島崎さんは1943年3月10日に北海道で生まれた。龍谷大学経済学部を卒業し、(株)日本旅行北海道で勤めた。
 島崎さんは1981年に青少年ブラジル派遣団に参加。その後、1986年ブラジル移住70周年の時に本格的にブラジルと南米に関わり、同年に一般社団法人・北海道日伯協会専務理事を務め、日伯間および北海道とブラジルの交流の便宜をはかった。
 南米への往来を重ねながら、ブラジルへのYosakoiソーラン導入、ブラジル北海道協会会館建設なとも舞台裏から熱心に支援した。最終的に安住の地としてイグアス移住地に2010年に移住、ソフトテニス導入に尽力した。
 同年「先没開拓者慰霊法要」のため、イグアス市に訪れた南アメリカ特派布教師である北海道薬王寺住職の田中清元老師と出会い、12年には同住職のもとで出家得度を取得。静岡県可睡斎専門僧堂(かすいさいせんもんそうどう)で修行を行った。70歳を越えてから禅宗僧侶になる修行をする人は非常に珍しいという。
 15年パラグアイ国初の仏教寺院である眞應山拓恩寺がイグアス市に建立され、19年11月に正式な住職になる儀式を終えたばかりだった。
 出棺の際、寺から移住地を練り歩いて墓地までを消防車が先導した。この消防車は、北海道池田町から寄贈されたもの。島崎氏が同町からの寄贈の便宜をはかったものだった。