JH=新機軸「日伯散策」12月6日=日伯所縁の地を歩いて巡る=125周年「生中継を視聴して」

来社した一行。左から池田副領事、クルッグ館長、栗田クラウジオさん

来社した一行。左から池田副領事、クルッグ館長、栗田クラウジオさん

 日伯外交樹立125周年を記念して、ジャパン・ハウス(エリック・クルッグ館長)は12月6日午前10時から「カミーニョス・ブラジル・ジャポン」(日伯散策)を開催する。サンパウロ市の日本移民や日本文化に所縁のある場所を歩いてたどりながら、それをオンライン(https://www.japanhousesp.com.br/)で生中継するハイブリッドなイベントだ。関係者が16日に来社して主旨を説明、視聴を呼びかけた。

 クルッグ館長は「ジャパン・ハウスの来場者の10~15%は日系人。1%の人口比からすれば相当高い。日系人はパウリスタ(サンパウロ州人)のDNAに組み込まれている。125周年を機にその歴史を歩いて振り返り、その様子をオンラインで実況中継して皆さんに見てほしい」と意欲的に語った。
 当日は、感染対策として6人ずつの少人数で散策する。それが6グループ作られ、それぞれ別のコースを歩く。必ず日本移民や文化に所縁の場所を数カ所含めたコースになっており、あちこちでガイドや語り部が待っていて解説する趣向になっている。カメラマンが同行してその様子をネットで生中継し、視聴者にも楽しんでもらう。それぞれ1時間半ぐらいで4キロほど歩いて最後はJHに集合する。

夜のジャパン・ハウスの様子

夜のジャパン・ハウスの様子

 例えば、日伯の歴史をたどるコースは「メモリアス(記憶)・ブラジル・ジャポン」と名付けられ、ニッケイ新聞社から出発。上塚周平立像のあるラルゴ・ダ・ポウボラ、移民史料館、ブラジル日本文化福祉協会、ブラジル日本県人会連合会などを通ってジャパン・ハウスまで歩く。
 他に日本食レストランを中心に散策する「ガストロノミア」、日本由来のスポーツに関係した場所を回る「スポーツ」、日系芸術家やその作品を鑑賞する「アルチ・エ・クルツゥーラ」、最新の日本文化に関係した「アトゥアリダーデ」などのコースがある。それぞれ最寄りの県人会館に立ち寄り、県のアピールを聞く予定。
 散策する様子は、同行カメラマンが撮影して、JHサイトから生中継される。視聴者は、自分の好きなポイントをつまみ食いするように、あちこち見ることができるという。
 クルッグ館長は「この動画はJHサイトからいつでも見られる。すでに200万人に来館してもらっているが、デジタル化することでさらにジャパン・ハウスの活動を幅広い層に知ってもらいたい。ブラジル全体、他の国からも見てほしい。来年パンデミックが収まっていれば、もっと大人数で開催できればと思っている。毎年の恒例イベントにしたい。この散策コースが将来、サンパウロ観光のモデルコースになることを期待している」と語った。

 

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    ◎
 ジャパン・ハウスは10月20日に再開館すると同時に、2つの展示企画を始めている。1階では若手デザイナー小泉智貴氏の「トモ コイズミ幻想的な宇宙」展を21年1月10日まで開催。本展のために特別制作された3点を含む13着が展示される。2階では写真家・石川直樹氏の『ヤポネシア(Japonesia)』展が1月3日まで開催中。中南米でも初めてとなる同氏の展示に際し、作品案内音声の原稿を石川氏自らが執筆。作品制作課程や様子を通じその土地への思いを馳せる事ができる企画となっている。両展示ともに入場無料。JH来館事前予約については予約専用ページ(https://agendamento.japanhousesp.com.br/)から予約できる。