《ブラジル》コロナ重症でも市長当選=息子の知らせに涙をこぼす

当選の知らせに喜ぶヴェレラ氏(11月30日付G1サイトの記事の一部)

 11月29日に行われた統一地方選の決選投票で当選した市長の一人は新型コロナに感染して重症化し、1カ月以上入院しているが、そんな状況でも当選を果たし、息子からの知らせに感涙をこぼしたという。
 新型コロナ感染症で闘病中なのは、ゴイアス州州都のゴイアニア市長に当選したマギト・ヴィレラ氏(民主運動・MDB、71)だ。
 同氏は10月20日にゴイアニアの病院でコロナ感染症と診断され、現地で治療を受けていた。だが、肺の75%が侵されて血中の酸素の量が極端に低くなったため、10月27日にサンパウロ市のイスラエリタ・アルベルト・アインシュタイン病院に転院した。
 ヴィレラ氏は集中治療室に入院後も症状の悪化と改善を繰り返し、体外循環装置「ECMO」まで必要な状態になっていた。

 薬剤も大量に投与され、日中は眠ったままでいる事が多かったが、11月29日の夜は薬の量が減らされ、目覚めていた。そのため、MDB同州支部長で息子のダニエル氏が当選を知らせたところ、感激して涙を流したという。
 ダニエル氏は11月30日、「昨日は特別な日だった。市長に当選した事はもちろんだけど、昨夜は父が目覚めていて、当選した事を直接伝える事ができた。当選と知って父は涙を流した。感動の涙だった」とメディアに語った。
 ヴィレラ氏は11月30日も入院しているが、担当医は1日にECMOを外せるかを試してみる意向だという。肺の炎症が落ち着くまでは入院が必要だ。11月29日に行った検査の結果が良好だったため、ECMOを外した状態で12時間観察する事を考えているという。
 ヴェレラ氏は8月19日と28日に、ゴイアス州南西部のジャタイー市に住んでいた76歳と82歳の姉2人を新型コロナ感染症で失っている。(11月30日付G1サイトより)