《ブラジル》コロナ禍=3週続けて感染者・死者が増加=サンパウロ州やサンパウロ市が規制再強化

全域を黄レベルとするとのサンパウロ州政府の発表について報じる11月30日付G1サイトの記事の一部

 【既報関連】選挙キャンペーン加熱や連休、市民の心の緩みなどで新型コロナの感染者や死者が3週続けて増加しており、多くの州や市が規制を強化している。
 11月29日現在の全国の感染者は631万4740人、直近7日間の新規感染者は4万3339人(1日平均3万4763人)は7月半ばの水準に戻った。死者も総数17万2833人で、7日間の死者3650人(1日平均521人)は、10月半ばの水準だ。
 保健省のシステムの問題で正確なデータとはいえないが、11月に入ってからの1週間単位の感染者数推移は11万7956人、19万5398人、20万3827人、23万7486人で、3週連続で増加。
 1週間単位の死者数推移は2385人、3389人、3331人、3572人。第3週が微減となっているが、実質的には死者も3週連続で増加だ。
 サンパウロ州では1週単位の感染者は減少したが、11月28日時点での週間の死者は前週比12%増の792人で、計4万2048人となった。11月30日に州全体の規制レベルを見直し、緑だったサンパウロ市やサンパウロ大都市圏、タウバテ地方、カンピーナス地方、ピラシカバ地方、ソロカバ地方、バイシャーダ・サンチスタを黄色に下げた。既に黄色だった他の11地方はそのままだ。これにより、州全体が黄色となる。

 黄色レベルの場合、商店などの営業時間は午後10時までの最大10時間に制限が厳しくなり、入場できる客数も収容人数の最大40%となる。また、立ち見客が入るイベントは開催禁止となる。
 州政府は映画館や博物館、劇場の営業を認める方針だが、サンパウロ市では文化施設の営業を緑レベルに戻るまで禁止する。
 サンパウロ州では、黄色レベルとなった10月から、幼児教育から大学レベルまでの対面授業再開が認められているが、実際に対面授業を行うか否かは各市の判断に委ねられている。サンパウロ市の場合、中等教育(高校)では全てのカリキュラム、幼児教育と基礎教育(1~9年生)では課外授業の対面教育が認められている。
 サンパウロ州政府は28日おきに判断していた規制レベルの見直しを7日おきにする意向も表明した。だが今回の見直しは12月一杯有効で、次回の見直しは1月4日の予定。
 サンパウロ州政府による規制の見直しは統一地方選の決選投票を待つ形で行われた。全国で当選した市長の一部は既に、来年からの任期の最優先課題はコロナ対策や保健衛生との意向を表明している。