《ブラジル》重武装した約40人が銀行強盗=爆薬数十キロとヘリコプター落とせる重火器

強盗が放置した爆発物を処理するロボット(1日付G1サイトの記事の一部)

 サンタカタリーナ州南部のクリシウーマ市で11月30日深夜から1日未明にかけて、機関銃や爆薬で武装した30~40人の強盗団が、警察の出動を阻止した上で人質をとり、銀行を襲うという事件が起きた。
 ヘリコプターさえ撃ち落とせる重火器に数十キロに及ぶ爆薬などを持った強盗団は、11月30日午後11時40分頃、黒ずくめの10台以上の車に分乗して市内に入った。
 一行は警官の出動を阻止するため、軍警基地の前にトラックを乗り付けてバリケードとし、放火した後、市中央部のショッピングセンターに向けて重火器を発射。その後はブラジル銀行に向かい、入り口や現金自動引き落とし機を爆破して現金を奪った。
 犯行に要した時間は2時間余りで、現金などを奪った後、近隣のノヴァ・ヴェネザ市に向かった。その後は車を乗り捨てて逃走している。
 犯人達は市役所職員らを人質にとり、横断歩道上に横並びに座らせて盾にし、警官が接近するのを困難にした。建物や商店、軍警基地などに向けて発射した火器は556、762、50と呼ばれる大口径ライフルとされている。同件担当の市警は、同州では史上最大規模の集団犯罪で、かつてないほど暴力的な事件と評している。

警官の出動を阻止するために放火されたトラック(1日付G1サイトの記事の一部)

 強盗団が奪っていったのが現金だけなのか、被害額はどれだけなのかの報告はでていないが、強盗団が逃げた際に路上に落としたトランクに入っていた金と巻き散らかされた現金だけで81万レアルに及ぶ。その現金に目がくらんで拾い集めていた住民4人が未明に逮捕された。
 現場には30キロの余った爆薬が残されていたが、警察は犯行に何キロの爆薬が使われたかの確認も出来ていない。
 警察は強盗団の行方を捜索しているが、事件の数日前からは、路上生活者らしき人物が夜、現場付近を歩き回っていたとの目撃情報がある。さらにノヴァ・ヴェネザ市の私有地に乗り捨てられた車の中には、他州のナンバープレートのものが含まれており、中西部や南東部にある州の犯罪者達が周到な計画を立てて行った犯罪との見方が強い。
 この事件では、軍警と警備員各1人が負傷したが死者は出ていない。軍警は腹部に複数の銃弾を浴びて病院に運ばれ、手術を受けたが、その後の容態などの詳細な情報は語られていない。
 ブラジル銀行は、被害額やいつ営業を再開できるかは不明としている。(1日付G1サイトより)