《ブラジル》大統領派の次期下院議長候補=セントロンのリラ代表にも不正疑惑

リラ氏(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 セントロン代表として来年2月の下院議長選への出馬が有力視されていたアルトゥール・リラ氏(進歩党・PP)だが、アラゴアス州議時代にラシャジーニャ犯罪を率いていたとして起訴され、下院議長選への出馬が危うくなっていると、3日付現地紙が報じている。
 ラシャジーニャは、幽霊職員たちの給料を特定の人物の口座にキックバックさせて公金をくすねとる犯罪だ。現在、ボルソナロ大統領長男のフラヴィオ上議も、リオ州議時代に同種の犯罪に手を染めていたのではとの疑惑が繰り返し報道されている最中だ。
 そのラシャジーニャを、次期下院議長の有力候補のリラ氏がやっていたとの容疑が浮上。アラゴアス州検察が起訴し、問題となっている。
 起訴状によると、リラ氏は同州議時代の2001〜07年に2億5400万レアルもの公金横流しに関与していた疑いが持たれている。検察によると、この疑惑には少なくとも12人の州議が絡んでおり、リラ氏個人の口座だけでも950万レアルが動いていたという。

 リラ氏は2003〜06年に州議の第1書記を務めており、州議会絡みの金の動きをコントロールし、支払いを承認する立場にいた。それため検察は、リラ氏がアラゴアス州議会を巡るラシャジーニャの中心人物の一人とみなしている。
 このスキャンダルに関する捜査は2007年には始まっており、リラ氏は2018年に当時のラケル・ドッジ連邦検察庁長官からこの件の責任者として起訴され、告発されていた。
 今回、アラゴアス州検察が明らかにしたところによると、リラ氏自宅から押収された書類の中には、同州議会が発行した、給与支払いのための小切手566枚分について記載したものも見つかっている。小切手は異なった人物に支払われたことになっているが、その直後に、州議たちや関係者の口座にその金額がキックバックされていたという。各々の小切手は2360・66レアルで、計133万6133・56レアルに上っていた。
 リラ氏は、ボルソナロ大統領が自身の罷免を避けるために接近した中道勢力セントロンのリーダー格。下院内の約4分の1にあたる135人の下議グループのリーダーであることから、来年2月の下院議長選挙で有力候補と見られていた。
 だが今回の起訴を受け、下院内のリーダーたちは、リラ氏の下院議長の座は危うくなったと見ており、説明を求め始めているという。