《ブラジル》国家治安部隊の派遣期間を5州で延長=暴力犯罪対策で常態化

国家治安部隊の活動の様子(Foto José Cruz/Agência Brasil )

 法務省が五つの州への国家治安部隊(FN)派遣を2021年3月まで延長する事を決め、21日付連邦官報に掲載したと同日付現地サイトが報じた。
 治安部隊の派遣延長が決まったのは、エスピリトサント、パライバ、ゴイアス、ペルナンブコ、パラナ各州だ。これら5州への治安部隊派遣は「エム・フレンテ・ブラジル」と呼ばれる、暴力的な犯罪に立ち向かうための国家プログラムに基づくものだ。

 なかでもエスピリトサント州ヴィトリア大都市圏にあるカリアシカ市では、もはや治安部隊は目新しいものではなくなった。同市は殺人事件の発生率が同州内で最も高く、2019年8月からずっと、治安部隊が派遣されているからだ。
 治安部隊は各州から選ばれた警官や消防士などで構成され、派遣の有無や派遣規模、派遣期間などは、自治体の長の要請を受けた法務省が判断する。
 「エム・フレンテ・ブラジル」は、殺人事件の増加や刑務所の暴動続発などで治安悪化が著しい自治体に対する支援プログラムで、治安部隊の隊員は地元の警察や検察と協力し、巡邏その他の活動を行う。