静岡=大幅に目標上回る募金集まる=ブラジル人学校「ミライ」で

職員と生徒で成功を喜び感謝の報告(ミライのポ語フェイスブックより)

職員と生徒で成功を喜び感謝の報告(ミライのポ語フェイスブックより)

 NPO法人「ミライ」(静岡県菊川市所在、黄地潔理事長)が、コロナ禍の影響で通学が出来なくなった同校生徒20人に学習継続の支援をしたいとネット上で支援者を募ったところ、当初の目標116万円を上回り195万500円を達成したほか、直接寄付も多く集まった。
 同校は、近隣に住むブラジル人を中心に託児、ブラジル人学校、公立学校に通う子供向けに日本語学習支援も行っている。特に今日のコロナ禍でこれから公立の小・中学校に通う子供達の親が職を失い再就職が難しい状況にあった。
 資金援助は日本国内のクラウドファンディングサイト(CF)「READY FOR」上で10月24日から11月23日まで実施した。この取り組みは静岡地方紙・地方局以外にも全国紙で取り上げられ、ブラジルやシンガポールからも支援があったという。
 それに加えて、CFを通さずに直接に支援した人も多く、中には「こんな問題があるとは知らなかった、何か役に立ちたい」という県在住者からの支援も寄せられたという。
 黄地理事長は「応援と励ましをたくさん頂き、大切に存続させていかなくては」と気を引き締めた様子。さらにホームページ作成やCF立ち上げを行ったボランティアのヴィアナ沙織さんに、「彼女が居なかったらこの結果もミライもありませんでした」と感謝した。
 日本ブラジル中央協会(東京都所在、大前孝雄会長)にもボランティアの協力を仰いだところ10人以上が参加を申し出ており、どのように参加してもらうか調整を行っているという。
 休学していた20人のうち8人と連絡がとれ、6人は復帰できたものの、残り12人は他県などへ引越しや親の都合で公立小に入学した等の理由で戻るに至らなかった。一方で新たに1歳から5歳の未就学児の入所があったという。
 今後の目標を黄地理事長に訊ねると「たくさんありますが、幼稚園のような庭付きの施設にすること」と更なる展望を語る。
 現在新たに保育士(日本の資格有する者)1人、事務局長1人、日本語の先生(資格有と無どちらも可)2人、菊川市内に土地の貸していただける方(新しい施設を作る)を募っている。