《ブラジル》「20日からコロナ・ワクチン接種開始」保健相が市長らに発表

パズエロ保健相(Euzivaldo Queiroz)

 エドゥアルド・パズエロ保健相は14日、全国の市長との会合で、新型コロナウイルスのワクチン接種を20日から始める意向であることを告げた。14日付現地サイトが報じている。
 この意向は、14日午前中の保健省と「全国市長会議」代表者たちとのヴァーチャル会議の席で表明された。全国から130人ほどの市長が参加していた。
 参加した市長たちによると、パズエロ保健相はコロナウイルスのワクチン接種を「1月20日午前10時に開始する」と語ったという。
 現在、コロナワクチンに関しては、オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が治験と国内生産を担当する英オックスフォード大学とアストラゼネカ社が開発した「オックスフォード・ワクチン」と、サンパウロ市ブタンタン研究所が治験と国内生産を担当する中国シノバック社が開発した「コロナバック」の二つが緊急使用許可を申請中。国家衛生監督庁(ANVISA)が17日に審査結果を発表することことになっている。それでゴーサインが出れば、20日から全国で接種が実施になる見込みだ。

 オックスフォード・ワクチンはイギリスやインドなどで承認済みで、コロナバックもインドネシアやトルコで承認され、各々の国での接種がはじまっている。「国外で承認されたワクチンはブラジルでも認めるべき」との声は司法界や世論にも存在する。
 パズエロ保健相は、予防接種の開始は全国規模になり、一月中に800万回分のワクチンが支給できるとの見通しも明らかにしたという。
全国市長会議のジョナス・ドニゼッテ議長は、「オックスフォード・ワクチン2万回分はインドからの空輸になるため、20日に間に合わない可能性がある。その場合も21日には始められるだろう」と語っている。だが保健省関係者は、飛行機の出発は遅れたが到着は18日の予定。19日に配布、20日から実施と見込んでいるという。