《ブラジル》対象外の市長がワクチン接種の列に割り込み?=「誰も受けたがらないから」と弁解

カンジバ市のツイッターでは市長が接種を受けた際の写真を投稿(Foto: Reprodução / Redes Sociais)

 各州への新型コロナのワクチン配布が18日に行われ、即日または19日からは予防接種が始まった。ところがバイア州南西部のカンジバ市では、優先接種の対象外の市長が最初に予防接種を受けた上、市のサイトやSNSに写真を掲載して問題になっている。
 20日付現地サイトなどによると、同州の予防接種計画では、最初の接種は医療従事者と収容施設に入っている60歳以上の高齢者または障がい者、保護区在住の先住民が対象となっている。
 だが、同市市役所のサイトには19日、同市で最も早く予防接種を受けた人の1人として、レジナルド・マルチンス市長(60)が予防接種を受ける様子を撮した写真が掲載され、市民からの苦情が殺到。これを受けた州検察局が捜査に乗り出す事になった。

 取材を受けた市長は、同市にはコロナバック100回分が届いたが、様子を見に保健所に出向いても予防接種を受けようとする人がいなかったため、市民に予防接種を受けるよう促す意味で接種を受けたと釈明した。
 同市長によれば、看護師達の多くが「接種を受けたくない」と言っていたので理由を訊ねたところ、「不安だ」などという答えが返ってきたため、怖がる必要はない事を見せようとして最初に接種を受けたのであり、自分を益するための行為ではないという。
 同市長は、同市の人口は1万5千人ほどで、「誰かが呼び水にならないと誰も接種を受けたがらない」とも語った。同市ではこの日、市内の産科・総合病院で働く女医のミレレ・コスタ・クルス氏が、市長と共に接種を受けている。