《サンパウロ州》対面授業は予定通り再開=地裁が現状での再開禁ずも

 サンパウロ州地裁は28日、2月からの同州内の学校の対面授業再開を差し止めたが、29日に州政府が控訴し、この判断が覆った。29日付現地紙、サイトが報じている。
 サンパウロ州では私立は1日、州立は8日、市立は15日から、学校の対面授業を「35%の生徒の出席」という条件付で再開させる計画でいた。
 だが28日、同州地裁のシモーネ・カセロッティ判事は、対面授業の再開を差し止める予備判断を下した。適用されるのは外出規制が赤とオレンジの地区の学校で、実質的に州内全ての学校が対象となった。

 同判事によると、衛生用品などを配布しても、対面授業再開のための安全面での保証は十分ではなく、保健衛生や命の安全に関する権利を守る意味で、少なくとも教職員へのワクチン接種が終わるまでは対面授業の開始を待つようにと命じた。
 同判事の決定は、サンパウロ州公式教育教員組合(Apeoesp)からの訴えを受けて行われた。
 これに対し、ジョアン・ドリア同州知事や教育局担当者が、「我々の優先事項は生徒や教職員の安全と健康の確保で、全ての生徒の教育を受ける権利と食の安全、精神衛生も考慮している」と反論。29日に控訴した結果、先の判断が覆った。