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《ブラジル》オックスフォードも最新結果は良好=「高齢者治験なく不安」説ある中=コロナバック依存は回避へ=大統領推すロシア製も高効用

オックスフォード・ワクチンの接種光景(Governo de Sao Paulo)

 ドイツなどで効用が疑問視されて問題となった、ブラジルでも緊急使用している新型コロナ用の「オックスフォード・ワクチン」の最新の治験結果が発表され、最初の接種後22〜90日間で76%の効用が認められたと発表された。ボルソナロ大統領が自身推奨のワクチンにしたいと考えているロシアの「スプートニクV」も91・6%の有効性を確認との治験結果を出し、ブラジルでの承認を後押しする展開となっている。2、3日付現地紙、サイトが報じている。
 オックスフォード・ワクチンに関する最新の治験結果は、国際的な権威のあるイギリスの医学雑誌「ザ・ランセット」で発表された。
 それによると、同ワクチンを接種された治験参加者は、偽薬投与者よりも無症状感染が67%少ないことが確認された。第1回目の接種後22日〜90日間の効用が76%(この期間中に感染した人が偽薬投与者より76%少なかった)、さらに2回目のワクチン接種後の効用は82・4%だった。
 この結果は、以前に発表された同ワクチンの治験結果の数字を上回るものだ。これまでに発表されていたデータは、1回目の接種後1カ月半で2回目の接種を行った結果、54・9%の効用が確認されたとなっていた。
 新たな治験結果は、このところあがっていた同ワクチンの不安要素を和らげるものだった。それは、ドイツ政府が1月末に「65歳以上に対する同ワクチンの接種を奨励しない」とする声明を出したためだ。同国政府は、これまでに出されていた同ワクチンの治験データでは65歳以上に関する資料が極端に少ない、と主張している。これに関しては、フランスのマクロン大統領も、同様の見地から同年齢の高齢者への接種に反対する意向を表明している。
 だが、同ワクチンを開発したアストラゼカ社は「最新の治験結果には65歳以上のデータも含まれており、効用に問題はない」と反論。イギリス政府もオックスフォード・ワクチンを全世代に接種させることを薦めている。

 オックスフォード・ワクチンは、ブラジルでは現段階で緊急使用が認められている2種類のワクチンのひとつだ。仮に同ワクチンが「65歳以上は使用不可」になった場合、ハイリスクのグループには、コロナバックしか使用できなくなるところだった。
 オズワルド・クルス財団(Fiocruz)は、同ワクチンの正式登録許可を申請済み。国家衛生監督庁(Anvisa)の認可が出れば、中国からの有効成分が到着次第、国内生産を開始する。
 ロシア製のワクチン「スプートニクV」についても、2万人に対して行った段階の治験結果(中間報告)が「ザ・ランセット」で発表され、91・6%という非常に高い効用を示した。第1回目接種後15~21日では73・6%。とりわけ60歳以上のグループ(2144人対象)では91・8%と、さらに高い数字を示したという。
 スプートニクVはアルゼンチンやベネズエラで緊急使用が承認されており、コロナバックを後押しして成功したジョアン・ドリア・サンパウロ州知事に対抗するため、ボルソナロ大統領が「自身推奨のワクチン」にしたいと考えていると報じられている。
 国家衛生監督庁(ANVISA)によるスプートニクVの緊急使用に関する審査は、「データが不完全」であるために遅れているが、今回の治験結果が後押しになると見る向きが少なくない。同ワクチンの国内での治験は不十分だが、ロシアやインドの衛生管理機関を国際的に認められた管理機関の一つに加えることで、「国際機関による承認後はAnvisaも速やかに承認する」と定めたパンデミック特例使用の法律範囲内に加えようとの動きが進んでいる。