《ブラジル》コロナ禍=第2波のピーク超えたか?!=今年初めて感染者と死者減=期待高まるワクチン効果

週毎の感染者の推移(保健省公式サイトより)

 年末年始の人出増などで今年に入ってからの新型コロナの感染者や死者が急増し、7日には感染者が累計950万人の大台を超えて952万4640人になった。死者は5日に累計23万人を超え、7日は23万1534人に達した。だが1月31日~2月6日(感染学上の第5週)は、今年初めて新規の感染者と死者が共に前週比で減少した。
 1月からの新規感染者は、1月3~9日(感染学上の第1週)に前週比43・5%増の35万9593人を記録後、第2週が5・4%増の37万9061人、第3週が4・7%減の36万1195人、第4週が0・1%減の36万721人で、1日平均5万人を超える状態が続いていた。だが第5週は32万820人(11・1%減)で、1日の平均が5万人を割った。
 今年に入ってからの死者は、第1週6906人(40・1%増)と第2週6665人(3・5%減)は1日平均1千人を割っていたものの、第3週7149人(7・3%増)、第4週7500人(4・9%増)と、1日平均1千人を超えた。第5週は7067人で前週比で5・8%減となったが、1日平均は1千人を超えている。
 新規感染者の減少は、11月以降の感染再燃に慌てた自治体が、年末年始から外出規制を強化したりした結果といえる。第2波は第1波より厳しく、南部3州やミナス、バイアなどの州で感染が急拡大した。また、アマゾナス州やパラー州などで医療崩壊が起きたと報じられた事も、市民の間での警戒心の高まりを生んだようだ。

週毎の死者の推移(保健省公式サイトより)

 アマゾナス州では週末時点の総数を前週末の総数で割った形の増加率は相変わらず高く、死者は3週連続で10%台の増加となっている。だが新規の数だけ見ると、感染者が第4週から、死者も第5週に減少に転じた。とはいえ1月末にロックダウンを採用したアクレ州やアマゾナス州に続いて医療崩壊が起きたパラー州などでは新たな死者の増加が続いている。
 死者の増加は感染者増に続いて起き、医療崩壊の有無によっても状況が変わるが、1月16日から続いていた治療・観察中の患者が10%を超える状態(一時的に11%に到達)が、2日以降は9%台に戻った事も、感染拡大が減速化し始めた証拠と言えそうだ。
 経済界などは一様に、予防接種が普及するペースで経済回復のスピードが決まると見ている。そういう意味で、7~8日に4度目のワクチン到着を見た自治体で高齢者や医療従事者への接種が加速化する事や、3日と6日に有効成分(IFA)が到着し、10日にも新たな便到着とされている事で、コロナバックとオックスフォード・ワクチンの国内生産が加速化する事、他のワクチン購入交渉への期待は大きい。
 予防接種は8日から第4週目に入り、7日時点で359万回超の接種を実施。2万5688人は既に2度目の接種を受けている。まだまだ十分とは言えない数だが、今後は、予防接種による感染拡大や重症化抑制効果も期待できるようになる。