《ブラジル》コロナ禍=感染者が1千万人を突破=500万人超え後4カ月で=予防接種は遅々として進まず

感染者の累計のグラフ(保健省公式サイトより)

 新型コロナの感染拡大は止まらず、最初の感染者確認から359日目の18日には感染者が1千万人を超えたと18、19日付現地紙、サイトが報じた。頼みの綱の予防接種は、遅々として進んでいない。
 保健省の統計での18日現在の感染者は、前日比5万1879人増の1003万626人。感染率は4万7731人/100万人、死者は前日比1367人増の24万3457人。死亡率は1159人/100万人だ。
 感染拡大は一時減速したが、初の感染者確認後8カ月弱の10月7日に500万人を超えた(500万684人)後、4カ月強で1千万人に達した。
 10月7日の死者は14万8228人だったから、死者の増加ペースは感染者より鈍いが、1月下旬以降は直近7日間の死者増が1日1千人超の状態が続いている。
 感染者最多はサンパウロ州の194万9459人(感染率は4万2454人/100万人で21位)。ミナス州82万2448人、バイア州64万3244人と続く。
 感染率1位はロライマ州の12万9414人/100万人で、アマパー州9万6331人/100万人、連邦直轄区9万5303人/100万人と続く。
 死者最多はサンパウロ州の5万7240人(死亡率は1247人/100万人で10位)。リオ州3万1882人、ミナス州1万7249人と続く。
 死亡率1位はアマゾナス州の2482人/100万人で、リオ州1847人/100万人、ロライマ州1690人/100万人と続く。

死者の累計のグラフ(保健省公式サイトより)

 18日現在のアマゾナス州の死者は1万286人、12月末日の死者は5285人だから、半数弱は今年に入ってからの死者だ。
 感染再燃は選挙戦や年末年始の3密が原因で、各自治体の規制強化により、18日現在の直近7日間の感染者増は3万7882人/日に落ちた。
 だが、サンパウロ州アララクアラ市が14日にロックダウンを採用、バイア州が16日、セアラ州が17日、ゴイアス州ヴァレ・ド・サンパトリシオ地区も18日に夜間外出禁止令発令など、感染拡大が続く州や自治体では規制強化が続いている。
 現状で期待されるのは予防接種による感染拡大抑制だが、保健省の不手際などで各地でワクチン不足が起き、予防接種計画の遅れは免れない。
 パズエロ保健相は18日の知事との会合で、2月中に1130万回分、7月までに2億3千万回分のワクチンの配布を約束。一方でブタンタン研究所は2月の予定数の3分の1しか納入しておらず、予防接種計画の遅れを招いたと批判した。
 同研究所は連邦政府と中国との関係悪化で原材料の輸入が遅れた故と反論。連邦政府が大金を投じ、オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が製造するオックスフォード・ワクチンも中国からの原材料輸入が遅れ、3月から納品となる。
 サンパウロ州政府がシノバック社と2千万回分のワクチン(完成品のコロナバック)購入交渉中と知ったパズエロ保健相は、ブタンタン研究所の反論には応えず、3千万回分のワクチン購入を要請。
 19日の市長との会合では、配布済みワクチンから2回目の接種分を取り分けず、初回接種で使い切る事を認めたが、自治体の長達は今後の配布日程への不安を拭えずにいる。