《ブラジル》死者数累計が25万人突破=サンパウロ州全域で夜間外出禁止に=変異株感染急増で警戒態勢=17州で同株確認、緊迫化

PCR検査の様子(Roque de Sa/Agencia Senado)

 24日付G1サイトによれば18時18分までに、同日のコロナ死者数が1390人を数えたことから、累計で25万36人となった。パンデミック開始から1年も立たないうちに、感染症死者の記録的な数字に到達したと報じている。
 変異株による感染者が急増中のサンパウロ州は、集中治療室の占有率上昇などが続くことから24日に外出規制の強化を発表した。26日から3月14日までは全州で23時から翌朝5時までを外出禁止と定めた。公共交通機関の運行も制限されるが、停止はされない。
 規制の緩い地区中心に飲食機関での3密発生が見られるため、監査を厳しくする事や、0800・771・3541で市民からの通報を受け付ける事も発表した。
 従来と異なるペース、異なるプロフィールでの感染者急増で変異株による感染者を確認、ロックダウンを採用したサンパウロ州アララクアラ市では、同処置を27日まで延長した。
 同市の入院患者は昨年7月のピーク時の270%増(一般病室)と370%増(集中治療室)で、集中治療室は3日連続で満杯だ。2月の死者は23日現在で1月の3倍。24日の新規感染者は139人で、入院待ち患者も出ている。また、同日はP1感染者が17人確認され、P1感染者が29人に増えた。
 一方、保健省は23日、全国的にも20日までに感染力が強い新型コロナ変異株による感染者が最低204人確認されたと発表したと同日付現地サイトが報じた。
 同省によると、204人中20人は英国型の変異株感染者で、184人はマナウスで確認されたP1株の感染者だ。現時点ではまだ、南アフリカ型の501Y.V2は確認されていない。

 英国型が確認された州と件数は、サンパウロ州11件、バイア州6件、ゴイアス州2件、リオ州1件だ。
 マナウス型は、アマゾナス州60件、サンパウロ州28件、ゴイアス州15件、パライバ州12件、パラー州とバイア州各11件、リオ・グランデ・ド・スル州9件、ロライマ州7件、ミナス州6件、パラナ州とセルジッペ州各5件、リオ州とサンタカタリーナ州各4件、セアラー州3件、アラゴアス州2件、ペルナンブコ州とピアウイ州各1件。
 このデータは、オズワルド・クルス財団(Fiocruz)、アドルフォ・ルッツ研究所、エヴァンドロ・シャーガス研究所に届いたサンプルの分析結果が中心で、他の研究所が分析した分が保健省に届いていない可能性がある。分析されたのはごく一部の患者のサンプルで、実際の感染者数とは一致しない。
 だが、17州中10州は14~20日(感染学上の第7週)も感染者が前週比で増えており、11州では死者数が前週を上回った。1月以降(感染学上の第1~第7週)を見ると、17州全てが2~5回、前週比での感染者増を記録したが、これは年末年始も関係があり、変異株による影響のみとは言い難い。死者数は各州とも1~7回、前週比増を記録している。
 変異株の影響が最も顕著なアマゾナス州では、1月14日に感染者急増で病院用の酸素が尽き、窒息死まで起きたが、その後も感染者が毎週1万人以上増加。23日の死者累計は1万573人となり、今年の死者が昨年の死者総数を上回った。
 11地区を赤よりも厳しい黒レベルとしたリオ・グランデ・ド・スル州では、州都ポルト・アレグレの集中治療室の入院者数が昨年のピーク時を超えるなど、緊張状態が続いている。