《ブラジル》大統領批判する公立大学元学長ら告発=「連邦政府による検閲」の声も

 ボルソナロ大統領を批判する発言を大学のSNS上で行った連邦大学元学長らが、国家総弁護庁(CGU)から告発されていたことや、教育省が政治的な発言を懲罰の対象にしようとしていることがわかった。3、4日付現地紙、サイトが報じている。
 2日付の連邦政府官報によると、ペロタス連邦大学元学長のペドロ・ロドリゲス・クリ・アラル氏と副学長のエラウド・ドス・サントス・ピニェイロ氏の2人は、「公職を利用して、限度を超えた政治的な立場を表明した」として、憲法違反で告発された。CGUは二人の行為は対応改善誓約書(TAC)の対象と判断しており、今後2年間、同様の行為を行うことが禁じられる。

 この両氏は1月に、ボルソナロ大統領が木曜恒例のネット上での生放送を行った際、SNSに批判的な投稿を行ったが、それを見たビボ・ヌーネス下議(社会自由党・PSL)がCGUに更迭を求めたことで、今回の告発につながった。
 CGUは、二人が使ったのは大学が開設したデジタルツールであるツイッターやフェイスブックで、「職場にあたる」として、今回のような判断を下した。同件に関しては、教育省も、ボルソナロ大統領支持派の連邦検察官の見解書と共に、「政治的な発言は懲罰の対象とする」との通達を各連邦大学に送付し、物議を醸している。
 マスコミの報道では「CGUや連邦政府が検閲行為を行った」と報じるものが目立っている。