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須賀吐句志さん『文芸の道』=NHK入選歌含む作品集

文芸の道。生まれ故郷和歌山県の串本海岸から望む大島の写真が表紙

文芸の道。生まれ故郷和歌山県の串本海岸から望む大島の写真が表紙

 須賀吐句志(本名=得司、88歳、和歌山県)さんが自作の俳句、川柳、短歌を纏めた作品集『文芸の道』を昨年7月に発刊した。須賀さんはコロニア内の多くの文芸誌やNHKの短歌大会で作品を発表してきたが、ここ10年ほどの作品が纏められている。
 須賀さんは昨年の5月に米寿を迎えたが世界中で新型コロナウイルス感染症が蔓延。伯国も外出自粛規制が発令するなどの非常事態となり、お祝いどころでは無くなってしまった。そんな中、子供達が「句集でも作ったら」と声をかけてくれたという。
 子供達の応援や、2009年に金婚記念で作られた句集『熊野灘』が知人などから良い感想が寄せられていた事も背を押し、発刊に至った。編集には所属する月曜句会の主宰で長年の友人である伊那宏さんが協力。11年ぶりに短歌や川柳を集めた文芸帳という形で纏めた。
 全128ページとなる同書は、俳句・川柳・短歌と3つにわけて収録。俳句編では武本由夫(たけもと・よしお)文学賞へ09年に応募し入選した「移民の詩」(20句)や13年の同文学賞で間島稲花水(ましま・とうかすい)選特選に選ばれた「待春」(20句)、16年の全伯親睦俳句大会(サンパウロ新聞主催)で入選した2句のほか自選句を収録。
 短歌編には「NHK短歌大会」の入選歌7首や14年9月以降に「新聞歌壇」や「ふろんていら」上で発表した歌から自選。川柳編では17年5月以降「ふろんていら」上で発表した作品を自選しまとめられている。
 電話取材に対し、「ボケ防止にと思ってやってるんですよ」と謙遜して笑いながら話す須賀さん。「色々やって中途半端ですが」とするも、俳句だけでも月20句詠むという精力的な創作意欲を見せる。
 日系社会の句会以外もNHK俳壇に良く送るといい、「テレビ版でも取り上げられたのを機に、日本の友人がNHK俳句の雑誌を送ってくれるようになり、長年続いている」と振り返る。
 様々な文芸活動の中で「俳句や短歌のアミーゴから句集や作品集を送ってきてくれる事も」と嬉しそうに語る声色は日々の充実を伺わせる。
 本は100冊ほど刷って文芸関係の知人友人や、日本の友人に配布したそう。残り10冊ほどあるので興味がある方は須賀さん宛てに電話もしくは手紙を送れば無料で送ってくれるという。
 手紙の場合は須賀さん宛ての住所(Rua José Moura Rezande,479 Pompéia –SP CEP17580-000)へ、電話の問合わせは(14・3452・1348)まで。