《サンパウロ大都市圏》公共交通機関の利用者激減=より厳しい外出規制採用で

規制強化で利用客が減ったバス(Rovena Rosa/Agencia Brasil)

 新型コロナの感染再燃でより厳しい外出規制が採用されたため、サンパウロ大都市圏では、バスと鉄道の双方の利用者が62%減少した。
 サンパウロ州政府によると、市内バスと市間バス(EMTU)、地下鉄、都電(CPTM)の利用者は、パンデミック前の1050万人/日から400万人/日以下に減少したという。
 サンパウロ州では、感染者急増に伴って病床占有率が急上昇し、占有率や1日平均の死者数が連日、新記録を更新中だ。
 このため、15日からは外出規制を従来の赤レベルよりさらに厳しい緊急フェーズ(紫レベル)に変更。公立校での対面授業は中止し、給食を必要とする家庭の生徒にだけ登校を認める、宗教施設での集会禁止、サッカーなどのスポーツの試合中止、夜8時から翌朝5時までの外出禁止などが打ち出された。
 他方、外出規制が強化され、公共交通機関の利用者が減っても、隔離率は大きな変化がなく、18日のサンパウロ市の隔離率は、州政府が良しとする55%には程遠い43%だった。州全体の隔離率は44%だった。

 19日のサンパウロ市の隔離率は8日と比べると2%ポイント伸びただけだったが、赤レベルや紫レベルといったより厳しい規制が敷かれる前の1日と比べると4%ポイント高かった。
 通常は隔離率が55%を超えると、感染拡大抑制効果が期待できる。サンパウロ州では州全域の集中治療室(UTI)の占有率が90%を超えており、医療崩壊状態だ。
 サンパウロ州政府は、サンパウロ市が26日からの10日間を連休にした事で海岸部に出向く人が増える事を懸念し、アンシエッタ―イミグランテス道の車線を増やし、海岸部に行く車の渋滞を防ぐためのオペラソン・デッシーダを19日から30日まで停止すると発表。停止期間は延長される可能性がある。
 また、同州海岸部の市長達は19日、従来より厳しい外出規制の採用を決めた。海岸部諸市も、UTI占有率が80%台に戻った事で警戒感を強めている。
 サンパウロ州政府によると、同州全体の規制強化により、12~14日の週末は、5~7日の週末と比べ、サントス市などがあるバイシャーダ・サンチスタ方面に向かう高速道の通行量が35%減ったという。(19日付アジェンシア・ブラジルより)