ラテンアメリカ協会=日米ブラジル協議の可能性探る=IT、環境分野の協力に意欲

基調講演する林外務省中南米局長

基調講演する林外務省中南米局長

 一般社団法人ラテンアメリカ協会(JALAC、佐々木幹夫会長)などによる『変貌する国際政治環境における日米ブラジル3国間協力の展望』が、23日午後9時(日本時間)オンラインで開催された。本イベントでは3カ国間に共通する価値観をもとに、様々な分野で協議と協力を行っていくために立ち上げられた枠組み「日米ブラジル協議」(JUSBE)に関して、協力関係や連携の具体策について話し合いが行われた。約300人が本協議を視聴した。

 基調講演を行った林禎二外務省中南米局長は、国際社会において伯国が重要な位置を占めていることを指摘したほか、民主主義をはじめとした共通の価値観を持つ3カ国の協力の重要性を踏まえ、「JUSBEを推進する立場として、長期的で透明性のある協議を続けていきたい」と語った。3カ国間でのIT、環境分野での協力について意欲を示した。
 ジュリー・J・チャン米国国務省米州担当首席国務次官補代理は3カ国間での技術交換や発展に期待を寄せたほか、「労働環境基準など人道的な内容の協議も必要だ」とコメントした。
 協議後には参加者から「JUSBEでの協議や協力に非政府機関の参加も望まれるか」といった質問が寄せられ、チャン国務次官補代理らは「学会や企業をはじめ、民間の意欲的な参加を望んでおり、また必要となる」と回答していた。
 その一方、タチアナ・プラゼレス外経済貿易大学(北京)シニアフェローより、「反中国のプラットフォームとならないよう、前向きな協力を目的とするべき」との意見も出され、JUSBEのルールの透明化など慎重な姿勢が求められていた。