《ブラジル》リオ市議を幼児殺害容疑で逮捕=恋人の4歳の息子を虐待死させた?

 8日朝、リオ市議のドウトール・ジャイリーニョ容疑者(連帯・SD)が、1カ月前に亡くなったエンリ・ボレル君(4)殺害容疑で逮捕された。恋人でエンリ君の母親のモニケ・メデイロス容疑者もともに逮捕された。ジャイリーニョ容疑者には継続的な児童虐待などの疑いも持たれている。8日付現地サイトが報じている
 エンリ君は3月8日未明、両容疑者と暮らしていたリオ市西部バーラ・ダ・チジュッカ区のアパートの寝室で意識不明となり、病院に運ばれたが死亡した。この日、両容疑者は「大きな物音がした」と証言し、事故死であることを主張していた。
 だが、死体解剖の結果、エンリ君は頭部をはじめ、いたるところに出血や浮腫が見受けられ、内出血や肝裂傷も起きているなど、繰り返し、暴力を受けた痕跡が確認された。
 リオ市警は両容疑者に関する捜査の結果、近隣住民など18人の証言から、事故死の可能性を却下した。特に注目されるのは、以前の恋人から、4歳だった娘への暴力行為があったとの証言が寄せられたことだ。この娘本人も、踏む、蹴る、溺れさせようとするなどの暴行を受けたと証言している。

 また、両容疑者の電話の会話内容は、特定の部分が削除されている形跡があり、証拠隠滅の疑いも深めていた。
 また、エンリ君の葬儀が終わった後にモニケ容疑者が美容院に行き、高価な服を身に着けはじめたこと、二人とも、エンリ君の死で取り乱した様子を見せなかったことなども疑惑に拍車をかけていた。
 市警の今回の逮捕に関して、「エンリ君は殺害される以前から、ジャイリーニョ氏から繰り返し虐待を受けていた」「母親もそれを知っていた」との見解を発表している。
 エンリ君の実父のレニエル氏は、両容疑者逮捕の報を受けて泣き崩れたという。レニエル氏はエンリ君と死の前日に会っており、死の直前に病院に運ばれた際にも連絡を受けるなど、別居はしていたが、息子との接触を頻繁に行っていた、同氏は「まだ幼い息子にどうしてこのような仕打ちができるのか。なぜ嘘を言ったのかが信じられない」と語っている。
 逮捕の報告を受け、所属政党のSDはジャイリーニョ容疑者の追放を発表した。同容疑者は捜査妨害、証言者の威嚇行為の容疑も持たれている。