《サンパウロ州》州立校教職員の感染率=一般市民の約3倍の高さ

州立校教職員の感染率が高いと報じる15日付アジェンシア・ブラジルの記事の一部

 基礎教育部門を中心に対面授業の重要性が問われ、収容人数の35%に限って対面授業を行うなどの方針を打ち出している州が多い中、サンパウロ州の公立校教職員は一般市民より新型コロナの感染率が高い事が分かったと15日付アジェンシア・ブラジルが報じた。
 州立校の関係者が2月7日~3月6日に299校から得たデータによると、州立校の教職員の新型コロナへの感染率は、比較研究のために行った25~59歳の一般市民の2・92倍で、ずば抜けて高い事が分かった。
 それ以前に行った調査との比較では、一般市民の感染者は81%増だったのに対し、教職員は138%増えていたという。聖州の州立校では2月8日から対面授業を再開していた。

 調査員達は、対面授業再開が感染者の増加を招いた可能性が強く、州政府による衛生基準は感染予防には不十分で、安全を確保できていないとした上で、州教育局が出した報告書は疑わしいとの見解も示した。
 州教育局は先週、1月3日~3月6日に公・私立校の教職員と生徒を対象に行った調査では、学校関係者の感染率は一般市民よりも低く、対面授業再開に向けた安全対策が十分である事が実証されたという報告書を提出していた。
 州教育局は、学校関係者の感染率は一般市民より低いから、対面授業を行っても問題はないとしていた。だが調査員達は、教育局は遠隔授業しか受けていない生徒も含めて感染率を算出しており、実態を反映していないと苦言を呈している。
 サンパウロ州では10日から、約21万人の教職員への予防接種を行っている。