《ブラジル》フィデリックス氏が死去=市長選や大統領選の名物異端候補

 サンパウロ市市長選やサンパウロ州知事選、大統領選などに出馬しては話題を集めた有名な異端候補、保守小政党「ブラジル労働者刷新党(PRTB)」のレヴィ・フィデリックス氏が、23日に亡くなった。69歳だった。コロナ感染症が理由だと言われている。24、25日付現地紙、サイトが報じている。
 フィデリックス氏は1951年にミナス・ジェライス州で生まれ、フルミネンセ連邦大学を中退後、テレビ司会者などを経て80年代に政界入り。94年に自身の政党であるPRTBを結党した。
 96年に行われたサンパウロ市市長選を皮切りに、同市長選や市議選では常連となり、統一選ではサンパウロ州知事選、下院議員選、大統領選のいずれかに出馬した。だが、いずれも1%の支持にも満たない結果に終わっていた。

 公約では「空飛ぶ電車」「高速鉄道」など大胆なものを掲げて話題となり、2014年の大統領選では、テレビ討論会で同性愛嫌悪の発言を行い、問題となった。だが、これで支持を集め、同選挙では0・43%の支持率ながら7位となった。
 2018年の大統領選では、PRTB所属のアミウトン・モウロン氏がボルソナロ氏の副候補となり当選。フィデリックス氏の入閣も噂されたが、それはかなわず、PRTBからの連邦議員も生まれなかった。
 死因は明らかにされていないが、コロナウイルスでサンパウロ市内の病院に入院していたが、病状が悪化して亡くなったと一部で報道されている。同氏はコロナ対策でのロックダウンを批判し、ワクチン接種も拒否していた。