春の叙勲=多彩な分野から10人受勲=潮崎夫妻、中矢氏、サアジ氏ら=百周年や教育機関の功労者など

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 日本政府は春の叙勲受章者を28日に発表した。ブラジルからは邦人叙勲2人、外国人受勲8人の10人が受勲した。受勲者と功績は次の通り。今回は、移民百周年関連や日系教育機関の功労者などが特に選ばれている。(敬称略)

【在ブラジル日本国大使館推薦叙勲受章者】

〈外国人叙勲〉
▽ウィリアム・ボス・ウー(52)=旭日小綬章=元伯日友好議員連盟会長、元連邦下院議員。日系人政治家として日伯関係の強化・促進に取り組んできた。日本ブラジル交流100周年の際は、伯日友好議員連盟副会長として活躍し、「巨大折り紙パネルプロジェクト」の発起人として現場責任者も務めた。
▽ヒダ・ミルトン・マサト(83)=旭日小綬章=元サンパウロ州立パウリスタ総合大学ボツカツ医学部教授、現ブラジル日系医師会長。昭和53年から継続的に日本の医学生によるブラジル訪問に関する調整及び同学生への指導を行った。また、日本の大学と共同研究をするなど日伯間の学術交流に貢献した。また、ブラジル日系医師会長としても日系人医師の地位向上に貢献した。また、ブラジル日系医師会長としても日系人医師の地位向上に貢献した。
▽藤本・ロベルト・守(71)=旭日双光章=現ブラジリア日伯文化娯楽クラブ会長。ブラジリア連邦区内最大規模の日系クラブで18年間役員職を歴任。現在は会長。日系社会福祉及び日伯両国の相互理解促進に貢献。数年に亘ってブラジル伝統行事に日本文化を織り交ぜた祭り「フェスタジュニーナ」を開催し、特に08年のブラジル日本移民100周年記念フェスタジュニーナにおいては、一万人を超える来場者を得るなど記念行事の成功に貢献した。

【在サンパウロ総領事館推薦叙勲受章者】

〈邦人叙勲〉
▽林慶太(林宗慶)(76)=旭日双光章=元裏千家ブラジルセンター代表。ブラジル国内各地に点在する門下生に茶道の稽古を行い、質の高い指導を行った。また、サンパウロ大学に茶道講座を開講し、ブラジルにおいて日本文化の普及を担う次世代の学生らに、茶の湯の世界に留まらない日本文化の教育を施すことに尽力した。ブラジルの美術館や文化機関との協力により、多種多様な催し物で茶の湯を紹介、幅広い層に対して茶道を紹介するなどして対日理解促進に貢献した。

〈外国人叙勲〉
▽ジョアン・カルロス・サアジ(69)=旭日中綬章=元ブラジル放送局協会(ABRA)会長、現ラジオ・エ・テレビザン・バンデイランテス(株)社長。ブラジルの大手メディアの社長として、グループ傘下のTVバンデイランテスとNHKとの提携を実現させたほか、日伯両国の重要な節目に数多くの日本関連報道を続けるなど、ブラジル国民への対日理解の促進に貢献を果たした。ブラジル放送局協会(ABRA)会長としても、ブラジルの地上デジタルテレビ放送の実用化に際し、同国政府の日本方式採用を支持。講演会等を通じて、同国の発展における日系人の多大なる貢献や戦略的パートナーとしての我が国の重要性を繰り返し発信するなど、長年にわたり、両国の文化交流及び相互理解の促進に寄与した。

▽中矢・レナト・ケンジ(76)=旭日双光章=元サクラ中矢食品社長、現サンパウロ州菓子・保存食産業組合会長。父からサクラ中矢食品を引き継ぎ、経営改革に取り組むことにより、同社をブラジル国内の醤油市場で85%、味噌市場で95%のシェアを占める会社に成長させた。これまで非日系のブラジル人に馴染みのなかった醤油や味噌の普及に貢献。10年以上にわたりサンパウロ州菓子・保存食産業組合会長の幹部を務め、日本食の食品規格を定めること等を通じ、日本食の質の向上と普及に貢献した。15年以上にわたりサンタクルス日伯慈善協会の役員をつとめ、サンタクルス病院の経営状況の改善にも尽力した。

▽東・ルイス(70)=旭日双光章=元汎スザノ文化体育農事協会会長、元スザノ市議会議員。汎スザノ文化体育農事協会の会長として、同協会内に日本語授業や日本の文化、価値観を取り入れた教育を行う学校「スザノ日伯学園」創立を提案、同学園開校を実現させた。スザノ地域に於ける日本文化・日本語の普及、日系社会の発展、日伯の友好関係促進に大きく貢献した。スザノ市議会議員を務めた際は、道路の舗装工事を働きかけ交通の便を改善した他、日本の地域警察システム導入プロジェクトの同市での取り入れに尽力し、多くの日系人が居住する地域の治安を改善する等、日系社会の福祉向上にも貢献した。

【在リオ・デ・ジャネイロ日本国総領事館推薦叙勲受章者】

〈外国人叙勲〉
▽ワタナベ・モトム(74)=旭日単光章=現ノーバフリブルゴ日伯文化体育協会会長。2005年から同体育協会会長を務め、ノーバフリブルゴ日伯文化体育協会会館の建設を企画・実現した。日本文化祭り等の各種日系イベントを開催し、日系社会の活性化や日伯両国の文化交流、友好親善の増進等を通じた日系社会の福祉向上に貢献。慈善活動を行うためのボランティア団体を結成、25年以上に亘り、障害者施設や貧困層の住民への日本食の無料配布、各種イベントでの日本食販売により得た収益の慈善団体への寄付等、地域社会への慈善活動を献身的に行っている。

【在クリチバ日本国総領事館推薦叙勲受章者】

〈邦人叙勲〉
▽潮崎明芳(潮崎アフォンソ明芳)(71)=旭日双光章=現マリンガ文化体育協会会長。同協会の役員として、長年に亘り地域社会の融和と日本文化・日本語の普及等に貢献している。会長就任以降は、同協会が例年開催する「運動会」や「文化祭」といったパラナ州マリンガ市でも有数の日本関連行事の成功に貢献している他、平成27(2015)年に秋篠宮同妃両殿下、平成30(2018)年に眞子内親王殿下がマリンガ市を御訪問された際には、現地日系社会の接遇側の中心として重要な役割を果たした。移民100周年記念事業として行われた、南米最大の日本庭園を有するマリンガ日本公園の設置の中心的な役割を果たし、完成後も日本庭園の維持・管理のため各所との調整に奔走している。同公園は現在ではパラナ州内外から旅行者を集める人気の観光地となり、対日理解の促進と日本文化の普及に貢献している。

〈外国人叙勲〉
▽潮崎・エリザ・チエミ(69)=旭日小綬章=現フランシスコ・シャビエル学校校長。パラナ州マリンガ市にある同校校長として、日本語学習や日本文化、日本人ブラジル移民の歴史の紹介等を行い、日本の多様な文化や慣習に触れ合う機会を生徒に提供し、長年に亘り日本語及び日本文化の普及に尽力。同校には日系人の教師や生徒が多く存在し、日本でのデカセギから帰国した子女を広く受け入れ、ブラジル社会に適応できるようサポートを行い、日伯両国間の交流や友好親善の促進に貢献している。マリンガ文化体育協会会長夫人として、毎年兵庫県加古川市から友好訪問団が訪伯する際には、夫である同協会会長とともに接遇役を務め、平成30年に眞子内親王殿下がマリンガ市を御訪問された際には接遇側において中心的な役割を務め、御訪問の成功、両国の友好親善の増進に貢献した。