《ブラジル》コロナ死者が40万人に=30万人突破からわずか36日で=欧州議会でもボルソナロ大統領批判続出
コロナ犠牲者が29日午後1時に40万21人を記録したと同日付エスタード紙電子版が報じた。30万人突破から僅か36日間で犠牲者が10万人も増える事態に驚く人が多い中、「寒さが来れば状況がさらに悪化し得る」と警告する声も出ており、現政権のコロナ対策に対する批判が国外でも噴出していると26~29日付現地サイトが報じた。
ブラジルの犠牲者は、10万人から20万人が152日、20万人から30万人が76日、30万人から40万人が36日と急増中。その事は、24日時点の月間死者数6万7977人が月間記録を更新した事や、25日には今年の死者が19万5848人となり、昨年の死者総数を超えた事にも表れている。
しかも、28日には、連邦直轄区と16州都では26日現在の集中治療室(UTI)占有率が90%を超えているという報道もあった。前週は連邦直轄区と14州都だったから状況は悪化。UTIの空き待ち中の人の数も増えてきている。
感染者の動きも気がかりで、27、28日の新規感染者は7万2140人と7万9726人。7日間の平均も、26日の5万6532人/日以降は、5万6927人/日と5万6928人/日と増加に転じている。
UTIの占有率上昇や感染者増加は、感染者や死者が減ったのを見て外出規制を緩めた事で、人の動きが増え、感染拡大抑止力が落ちた証拠だ。
昨年4月まで保健省で感染症予防対策を担当していたヴァンデルソン・オリヴェイラ氏は26日、「呼吸器疾患の患者が増える6~8月はコロナ禍が悪化する可能性がある」と警告。昨年の死者最多月が6~8月だった州は17州あり、要注意だ。同氏は、「予防接種で集団免疫状態ができるのは来年」との見通しも語っている。
感染者数世界3位、死者数は世界2位のブラジルが、ラ米の脅威と見られている事は、ラ米のコロナ禍について話していた29日の欧州連合議会が、ボルソナロ大統領批判に終わった事でも明らかだ。
当日の議題は「ラ米でのパンデミックの影響と支援の可能性」だったが、社会・経済面の格差やコロナ禍の状態についての分析を進める内に、ボルソナロ氏への批判や告発一色になったという。
会議では「(フェイクニュース拡散や3密扇動などの)行動や(マスク不着用、社会隔離否定などの)不作為によるボルソナロ大統領の壊死政治(necropolitica)は人道的な犯罪行為で捜査に値する」とか、「ブラジル大統領の公衆衛生対策が同国を変異株の温床としている」という声が続出。「ボルソナロ氏の不合理な否定主義が状況をより困難にしている」「国民が予防接種を受けないよう、あらゆる事をしている」「これはミスではなく、故意の無責任だ」といった批判も延々と続いたという。
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サンパウロ市は27日、市内四つの霊園での夜間の埋葬を29日から中止すると発表した。サンパウロ市ではコロナ感染症の死者急増を受け、3月25日から、サンルイス(南部)、ヴィラ・ノヴァ・カショエイリーニャ(北部)、ヴィラ・アルピーナ、ヴィラ・フォルモーザ(ともに東部)の4霊園での夜間埋葬を認めていたが、死者数減少により、「死者が再び急増するまで」中止になった。とりあえず、死者急増が収まっているというのは喜ばしいことだ。
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