1

■訃報■「カオリン王」堀井文夫=大功労者、コロナ禍に斃れる

2013年12月、80歳誕生日の際の堀井さん

2013年12月、80歳誕生日の際の堀井さん

 「カオリン王」堀井文夫さんが16日午後5時30分、サンパウロ市のシリオ・リバネス病院で亡くなった。行年87歳。堀井さんは新型コロナウイルスに感染し、4月1日に入院治療を受け、一週間後には病状が快復に向かい退院すると期待されたが、高齢のために衰弱が進み亡くなったと見られる。
 モジ・ダス・クルーゼス(以下、モジ)本派本願寺の清水円了主管によって17日午後2時から同寺で葬儀が行われた。
 1933年12月23日、広島市白島九軒町(はくしま・くけんちょう)生まれ。上皇陛下と同じ誕生日で毎年ゴルフ大会を開き盛大に祝っていた。37年3歳の時、家族7人で、モンテビデオ丸により2月28日にサントスに入港した。
 リベロン・プレット郡サンマルチンニョ農場に配耕されコーヒー栽培に従事。40年6歳、聖市近郊サントアンドレ郡に移転。52年18歳、モジ市郊外ヴァリーニャス区(ダルマ植民地)に入植し独立。57年23歳、聡子(ふさこ)さんと結婚。
 61年27歳、母・良美さんが「住みたい」と言っていた山の上に井戸を掘ったら、カオリンが出た。露天掘りできるほどのカオリンが埋蔵されていた。68年、堀井鉱山有限会社を設立、本格的に採掘販売を開始。事業拡大とともに97年にはパラダイス・ゴルフ場の経営、2001年にはパラダイス・リゾートホテルの経営を開始した。
 モジ文協スポーツセンター建設のために、多額の寄付を行い、トラクターなどの土木建設機械を投入した。
 2016年、同市の私有地にモジ本派本願寺を建設、寺院本堂、納骨堂、庫裏、寺務所を建立寄進した。同市内に環境保護学校、特殊児童教育学校などを建設し、社会貢献した。
 日系福祉団体のチャリティーショーには必ず多額の寄付を行い、日本浪曲協会、日本民謡協会などのブラジル公演では多額の滞在費用を負担、日本伝統芸能の普及に貢献した。
 子息、息女は5人。次男和人さんはマット・グロッソ州ボドケーマ市長。18年12月に『カオリン王 堀井文夫』を刊行。知られていなかった堀井さんの社会貢献が知られるようになり、功績が認められて19年春の叙勲で受章していた。