《ブラジル》下院で大統領派議員が委員長に暴行=大麻使う医薬品解禁法案審議中

 18日、下院でボルソナロ大統領派の下院議員が大麻の成分を使った医薬品の商用解禁を問う法案審議の席で、委員長に暴力を振るう事態が起きた。18日付現地サイトが報じている。
 事件が起きたのは同件に関する特別委員会で、報告官のルシアノ・ドゥッチ下議(ブラジル社会党・PSB)が提出した意見書について審議する際、連邦政府を支持する政党グループの下院副リーダーでもあるジエゴ・ガルシア下議(ポデモス)が提出した、この日の審議を延期するように求めた案が形式的な投票で却下されたことだった。
 だが、これを不満としたガルシア下議が、パウロ・テイシェイラ委員長(労働者党・PT)に「記名式投票でやりなおせ」と迫り、他のボルソナロ派が同委員長に野次を浴びせた。

 テイシェイラ委員長が「叫ぶのではなく、議論を行うべきだ」と反論したそのとき、ガルシア下議は壇上に上がり、テイシェイラ委員長の胸をつき、同委員長のコンピューターを押し倒した。同委員長が暴力を振るったことを批判すると、大統領派下議たちは「大麻を解禁しようとしている」と大声で叫んだ。
 この法案は17日にボルソナロ大統領が批判したものだった。
 特別委員会に参加した下議のひとりは、「国民の健康に関わる問題であるため、慎重な議論が必要なのに、暴力で応じるとは」と大統領派の議員たちの態度を批判している。