《ブラジル》アマゾンのネグロ川増水が深刻化=約30mも上昇、過去最高まで20cm

町中まで川の水が増水したアマゾナス州都マナウス都市圏にあるマナカプルー市内 (Foto: Raphael Alves/Amazonia Real)

 アマゾナス州内を流れるネグロ川の増水が例年以上の水準となり、毎日の生活にも影響が出始めていると17~19日付現地サイトが報じた。
 上流部の降水量の多さから、今年の増水が記録的なものになる事は早い時期から予想されていた。ネグロ川の水位は18日の時点で29・74メートルに達し、1902年に観測を開始して以来、3番目の増水となっていた。
 水位は今も上昇を続けており、19日朝の時点では過去2番目だった2009年と同じ29・77メートルに達した。過去最高は2012年に記録した29・97メートルで、あと20センチに迫っている。
 増水の影響は各地で出ており、マナウス市の中央部では、観光名所でもある時計広場(Praca do Relogio)や税関の建物の入り口なども水浸しになっている。

 今年は記録的な増水と聞いた市民の中には、様子を見に行く人達もいるが、例年よりも水位が上がっている事に驚く。と同時に、いつになったら水が引くのかや、家屋や商店への浸水、他の町との行き来への影響などへの懸念も口にしている。
 時計広場が水浸しになりはじめたのは16日からで、路面全体が冠水する事や店や家屋への浸水を防ぐため、土嚢を積む人達も出てきている。
 増水の影響が出ているのはマナウス市だけではない。州防災局によると、何らかの形で被害を被っている人達は州全域で40万人以上に達しているという。
 鉱山動力省鉱物資源調査公社(CPRM)によると、今年はネグロ川流域の雨量が多く、同川の水位は過去の最高記録を更新する30・35メートルに達する可能性があると見ている。

★2008年3月8日《ブラジル》アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(30)=胡麻植えサウーバ退治=雨季、増水で流される〃火の蟻〃

★2014年4月23日《ブラジル》アマゾン大水害=「移住60年間で初めて」=キナリ・グヮポレ移住地等に悪影響=物価2倍、売上7割減に=最悪の時期は脱したか

★2014年3月13日《ブラジル》北部4州の増水被害拡大=被災者は2万2千世帯に=発電所の環境許可問題も