岩手=記念誌『あゆみ』完成=創立60周年、移住100周年=千田前会長「父も編纂した」

笑顔で記念誌を見せる千田前会長

笑顔で記念誌を見せる千田前会長

 「一世として次世代のブラジル日系社会に、形になるものを残そうと思い作りました。製作に3年を要しましたが、無事完成して本当によかった。岩手県人の移民の歴史をまとめたこの一冊を多くの人に読んでほしいです」――『ブラジル岩手県人会創立60周年・県人移住100周年記念誌 あゆみ』の刊行にあたり、編纂の中心的人物として携わった千田曠曉前岩手県人会会長(80歳)は満足げに笑顔で語った。
 ブラジル岩手県人会の多田マウロ孝則会長は「この記念誌を手に取って感動しました。この本は、ブラジル岩手県人の誇りです。この製作の中心として動き回った千田さんに心の底から感謝します」と深謝した。
 同記念誌は約300頁と分厚く、ずしりと重い。同県人会の活動や同県関係者のブラジル訪問時の記録、県人の自分史、留学生・研修生の記録、移住した県人の写真、県人移住者と家族名簿など岩手県人の歴史が記されている。記載は日本語が中心。
 中でも創立5周年式典から60周年までの5年ごとの式典の様子を多数の写真付きで掲載した他、1980年にリベルダーデ広場で開催された「岩手まつり」など貴重な記録がまとめられている。また戦後の主だった県関係者の名前と写真なども列記されている。「日本移民の父」駐ブラジル第3代公使の杉村濬(ふかし)の業績を振り返る一文、「県人実態調査時の思い出の写真集」など、県人移住100周年にふさわしい豊富な内容が詰め込まれている。
 千田さんは「私の父も以前の県人会記念誌の編纂に関わった。私も同じように関われて縁を感じる。とても嬉しい」と充実感あふれる表情を浮かべた。
 同記念誌購入希望の人は、岩手県人会まで連絡を。販売価格は1冊100レアル、販売冊数は限定30冊にて。郵送の場合は別途郵送費がかかる。(県人会電話=11・3207・2383/メール=iwate@iwate.org.br)