サンパウロ州マリリア=市議会が日本公園建設案承認=「市への歴史的貢献称える」=今年末までに完成予定

眞子様の植樹時の様子。左がアロンソ市長、右が水野文協会長

眞子様の植樹時の様子。左がアロンソ市長、右が水野文協会長

 サンパウロ州マリリア市議会は10日、マルコス・レゼンデ市議会議長(PSD)が提出した「日本移民記念公園」建設法案を全会一致で承認した。これにより同市への日本人移民の歴史的貢献を称えた公園が建設される。ニッパク紙の取材によれば、同議長は「候補地は、近日中にダニエル・アロンソ市長や同市日系団体代表と会議を開いて決定する。既に大型商業施設の近く等いくつかの提案を受けている」とさっそく具体化に向けて進んでいるようだ。

 マリリア市は聖市から北西に446キロ、パウリスタ地方の主要都市だ。人口24万人、国内有数の規模と活動力を誇る日系社会を有している。かつて終戦直後には勝ち負け抗争の激しかった場所の一つだったが、長い時間をかけて日系人の貢献が認められ、110周年の眞子さまご訪問が大きな好印象を市民に残した形だ。
 同氏の提出した計画では、公園には日本の都市計画や造園様式を取り入れた門や彫刻、伝統的な日本庭園様式や池泉、桜を盛り込む。今年度末に広場が完成する予定。
 同氏は「我が市にはすでに日本移民に関する三つのモニュメントがある」と述べ、「しかし、市内の日系コミュニティやその子孫に関する物は今まで無かった」と説明する。
 ひとつは市庁舎庭園に設置された日本移民50周年を記念して設置された『日系コミュニティを称えるプレート』、同じく市役所内にある『日本移民碑』、姉妹都市への敬意を表した『東広島広場モニュメント』を挙げた。

左からマルコス・レゼンデ市議長と水野ケンイチ文協会長

左からマルコス・レゼンデ市議長と水野ケンイチ文協会長

 同氏は2018年の「日本人ブラジル移民110周年」を記念して、元連邦下院議員で現在はサンパウロ州商業評議会(JUCESP)会長を務める飯星ワルテル元下議へ同市名誉市民称号(Cidadão Mariliense)を与えた立案者でもあった。
 レゼンデ議長は「日系コミュニティとの繋がりは、眞子さまの当地訪問を実現させた一人である、飯星氏のおかげ」と説明。18年に眞子さまが110周年記念の祝賀式典のため来伯し、同市にも足を運んだ際の事を振り返る。
 眞子さまは同市訪問時にワルディル・シルベイラ・メロ市立劇場や市庁舎を訪問。市庁舎で600人以上の歓迎を受けつつ、イッペーを植樹され、来伯記念プレートが除幕された。
 皇室による市役所前庭でのイッペー植樹は、1958年に来伯された三笠宮同妃殿下ご夫婦以来60年ぶり。眞子さまご訪問以前には同地をご訪問された唯一の皇室であった。当時は訪問を記念し公立学校に「プリンセス・ミカサ」と名づけられている。