新しいコロナ感染検査キット=約625円、30分で判定確率96%

新検査キットを広報するサンタカタリーナ州連邦大学(UFSC)のサイト(https://noticias.ufsc.br/2021/07/pesquisadores-desenvolvem-novo-kit-de-diagnostico-rapido-e-barato-para-covid-19/)

 感染力がより強い変異型による新型コロナウイルスへの感染への懸念が広がる中、サンタカタリーナ州でより迅速で廉価な感染判定用検査キットが開発されたとの朗報が流れた。
 サンタカタリーナ州連邦大学(UFSC)のサイトなどによると、この検査はオズワルド・クルス財団(Fiocruz)研究員のアンドレ・ピタルガ氏と妻で同大学教授のルイーザ・ロナ氏が開発したもの。同州のFiocruzはUFSC内で研究活動を行っている。
 二人が新たな検査キットを開発するきっかけは、パンデミックの初期に90歳になろうとする母親を同居させるために感染の有無を確認しようとした隣人が、「PCR検査を受けたが300レアル以上かかった上、結果が出るのも3日後」とぼやいているのを聞いた事だった。
 この苦情を聞いた夫妻は、2000年代から使われているテストの手法の一つでRT―ランプと呼ばれる方法と、分子診断の最初の部分を組み合わせ、患者の検体からRNAを分離するための効果的な方法を開発した。

新たな検査キット開発と報じる7日付NSCトータルの記事の一部

 この方法では、患者から採取した検体を溶液に通した後、一種のメンブレン(薄い膜または物体の表面に付着した膜状のもの)を取り出して水の中に置いておくと色が変わり、感染の有無を示す(陽性ならば黄色、陰性ならばピンク)。
 このキットは約30レアル(約625円)で検査可能。鼻やのどから採取した検体だけでなく、唾液でも可能。感染の有無は30分間で判定できる。
 新検査キットの有効性を確認するためのテストはまず、PCRと同様に綿棒を使って検体をとる方法で行われ、判定確率は96%だった。検査をより容易にするため絶食状態で採取した唾液でテストしてみたところ、98%の確率で感染が確認されたという。
 夫妻は既に新しい検査キットの特許をとっており、近日中に国家衛生監督庁(Anvisa)の許可を申請する予定だ。

★2021年7月8日《ブラジル》ペルー系変異株に要注意=国内で3人の感染を確認=WHOが南米での流行警戒
★2021年7月7日《サンパウロ市》ついにデルタ株の市中感染?=リオ州でも感染者確認=致死率高く、再感染が容易
★2021年6月30日《ブラジル》国内のデルタ株死者2人目=感染状況さらに悪化の可能性も
★2021年5月29日《ブラジル》ウルグアイで「致死率54%」黒い真菌=インド株感染者が各地に拡散か=間に合うか空港・港の水際対策