《ブラジル》パラ五輪代表団からコロナ感染者=隔離経た選手らやっと練習開始

「水を得た魚」(初日の練習でのダニエル・ジアス、https://www.instagram.com/p/CSeGQlqp_gI/)

 ブラジル・パラリンピック委員会(CPB)が9日、日本に到着した選手団の中から新型コロナへの感染者が2人出た事を明らかにした。これにより、静岡県浜松市で事前合宿を行う予定だった選手達も自主隔離を強いられていたが、11日に練習開始が認められたと9~11日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
 最初の感染例確認は、5日に伯国を発ち、6日に成田に到着したグループの一員で、搭乗前の7日間に3回のテストを受けて陰性だったのに、成田到着後に受けたPCR検査で陽性反応が出た。また、8日には、7月末に日本に着き、浜松市にいた関係者の感染が判明した。浜松では9日間で5回のテストを受けていたが、8日になって陽性反応が出たという。どちらも感染者は無症状で、自主的に隔離に入った。
 CPBによると、日本にいる選手団は選手27人を含む52人で、一行はバスで浜松に移動。機内や宿舎で接触があったため、浜松市では、感染者以外のメンバーも隔離状態に置かれていた。
 事前合宿のために早々と日本に乗り込んでいるのは、水泳や卓球、重量挙げ、ゴールボールの選手達だ。10日には、金14個を含む24個のメダルの所有者で水泳選手のダニエル・ジアスが、「隔離のためにホテルの部屋から出る事さえできず、練習もできない」とこぼすビデオがインスタグラム上に流れ、多くの人の同情を集めた。

 ダニエル・ジアスは、隔離期間は7日から14日間で、パラリンピックが始まる3日前からしか練習が行えなければ、前もって浜松に来た意味はないとし、陰性の選手達まで隔離する必要はあるのかと訴えたのだ。水泳の選手は25日からの競技に間に合わせるため、18日に東京入りする事になっている。
 だが、翌11日、状況が動いた。CPBの関係者らが積極的に働きかけた事が功を奏したのか、ダニエル・ジアスの投稿で、CPB以外のところからも働きかけがあったのかは不明だが、当初は7日から14日間の隔離厳守と言い続けていた浜松市役所が、選手達の練習開始を認めたのだ。
 CPBによると、毎日の検査で陰性が確認されている選手達は感染者と接触があった人達とは違う時間帯で練習を行う事になる。ダニエル・ジアスは早速、支援者達への謝辞とプールで撮った写真を投稿。CPBも11日に、事情を察してくれた浜松市長への感謝を込めた声明を出している。

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