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サンタクルス日本病院=県連と格安サービス協定=県人会会員に特別価格で=「日系社会へ貢献強めたい」

調印後の記念撮影(撮影のため一時的にマスクを外している)

調印後の記念撮影(撮影のため一時的にマスクを外している)

 サンパウロ市のサンタクルス日本病院(佐藤マリオ理事長)は4日午前、ブラジル日本都道府県人会連合会(県連、市川利雄会長)との間で県人会の会員であれば一部サービスを特別価格で受けられるという協定の締結調印式を行った。9月頃に開始を予定しているこの協定は、県人会員であれば診察代が通常価格350レアルのところ120レアルに、検査は種類によって異なるが平均すれば半値で受けられるという特別なサービスだ。

 同院はこれまでも「憩の園」や「こどものその」などの日系福祉団体へ無料健診を行ってきた。石川評議会議長は開会の挨拶で「今回は県連との協定ですが、もっと多くの日系団体へサービスを広げ、日系社会に広く貢献していきたい」との展望を語った。
 式典には市川県連会長、石川レナト評議会議長、佐藤マリオ理事長、二宮正人評議会副議長などの同院関係者や、同院へ支援をしてきたJICAブラジル事務所の江口雅之所長、野村アウレリオ聖市議、西尾ロベルト宮坂国人財団理事長も駆けつけた。
 式典後の取材で石川議長は「病院を作りあげた日系の先人や支えてくれた方々へ感謝の気持ちを形にしたいという背景があります。日系コミュニティーの方々とくに高齢者の方が病気の時に力になれればと考えています」と説明する。

調印の様子

調印の様子

 佐藤理事長も「病院が出来た頃のみんなの健康を守りたいという原点に立ち返る事が出来たらと思います。皆様に安心感を提供したいというのが根本的な想いです」と胸中を語った。
 構想自体は前理事長時代の4・5年前からあり、佐藤理事長が引き継ぎ形にした。「もっと様々な取り組みをしていきたいところですが、今出来る事は何かと考えました」と説明した。
 今後、県連との協議を深め、スムーズにサービスが受けられるようシステムを作る。サービス開始までに、県連または県人会の所属を示すカードの発行を計画中だ。
 市川会長は「病院の運営者は三世、四世世代になっていますが、これまで病院を作りあげた先達への恩返しという気持ちを強く感じていますし、大切な取り組みです」と嬉しそうに頷いた。
 「その気持ちを大切にし、私達県連がどのよう取り組んで、その想いを伝えていくかも重要だと感じています。その一つとしてカードを考えました。いつも持ち歩いていれば緊急にも使えます」と説明する。
 コロナ禍で同院や県連など日系社会支援を続けてきたJICAの江口所長は、「非常に厳しい状況下でお互い助け合う関係が強化されている事は非常に嬉しく思います」と言葉を寄せ、うまく行くことに期待を寄せた。
 やはり同院の支援を行ってきた野村市議も「パンデミック下で通院を控えていた高齢者の足が戻りつつあり、最も支援が必要な高齢者にとって有益な取り組みになるはず」と祝った。
 式典の最後に二宮正人評議会副議長は同院の歴史として、病院創設の中心となった「同仁会」が1926年に設立したこと、初期の移民達が伯国特有の感染症や多額の治療費と言語の壁に苦しみ「日本語が話せ、日本食が食べられる病院」を切望する事となった歴史背景を改めて振り返った。

 

 

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