《ブラジル》コロナ禍=死亡率ランキングが世界5位に=ばらばらな対策と接種遅れで=死者は1月初旬並みに減少

2カ月間で死亡率のランキング上昇と報じる21日付G1サイトの記事の一部

 22日現在の新型コロナのワクチン接種は、少なくとも1回受けたが58・3%、接種完了が26・2%に達したが、接種速度はまだ遅く、人口100万人あたりの死者(死亡率)は世界5位と21、22日付現地サイトが報じた。
 22日の全国のコロナ死者は前日比318人増の57万4527人、7日間平均は781人となった。7日間平均が700人台となったのは21日の774人に次ぎ、2日連続だ。死者の7日間平均は、死者累計が20万人を超えた1月7日の792人以降、800人超の状態が21日まで206日も継続。この間に37万3711人が亡くなった。
 ブラジルの死者数は米国に次ぐ世界第2位で、死亡率も世界5位に上昇。6月10日現在の10位から、2カ月間でランキングが五つ上がった。
 ブラジルのコロナの死者が多いのは、国を挙げた対策が取れなかった事やワクチン接種の遅れが原因だと言われる。州や市の多くは国内初の死者が確認された昨年3月以降、ロックダウンや厳しい外出規制採用で感染抑制を図った。
 だが、世界保健機関や当時の保健相らの進言にも関わらず、国レベルでの一斉検査、外出規制、マスク着用義務は徹底せず、マナウス株などの変異株発生も許すほどの感染拡大を招いた。

 ワクチン接種の遅れも挙国体制での対策が取れなかった結果の一つで、1月17日の開始後も進展が遅れた。最近は接種が加速しているが、死亡率のランキング上昇は接種拡大などによる死者減少が他国に追いついていない証拠でもある。
 ブラジルよりも死亡率が高いのは、16日現在の死亡率が5987人/100万人のペルー、3110人のハンガリー、2960人のボスニア、2836人のチェコ。同日のブラジルの死亡率は2679人、22日は2734人だ。
 デルタ株感染者全国一(17日現在で431人)のリオ州は15~21日(感染学上第33週)の感染者が前週比で7・5%、死者も9・4%増えた。同株感染者が出ている16州中、サンパウロ州とマット・グロッソ・ド州、ミナス州、ペルナンブコ州以外の12州は、感染者か死者、または双方が増えている。死者は減ったが、感染者が93・3%増のパラナ州は特に目立つ。
 デルタ株感染者はいないが、新規感染者が94・9%増のアクレ州や43・2%増のロライマ州、感染者が10・8%、死者が15%増えたパライバ州、死者が54・5%増のセルジッペ州、外出規制緩和で人の動きが増えた州も要観察だ。全国の死者は前週比で10・2%減だが、感染者は4・0%増えた。